第六話 バルバトス
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太刀を構えバルバトスは飛翔した。
「ここなら、効くだろ」
バルバトスは太刀をモビルアーマーの背中に突き刺した。
それは弾かれることなく突き刺さり、モビルアーマーの動きが一瞬だけ鈍くなった。
「やっぱ、背中が弱点か」
バルバトスは再び距離を取った。
ヒットアンドアウェイ。
一撃離脱。一撃して離れて距離を取る戦法を使えば被害も少なくダメージを与えられる。少しずつ少しずつ、モビルアーマーにダメージを蓄積させ、動きを止めた所を強襲する。
と、いきたい所だけど。
「逃げんなッ!」
さっきから、あのグレイズは俺の邪魔をしてくる。
「あのさぁ、邪魔しないでくれる?」
「テメェが、逃げ回るからだろうが!」
「アンタの目的は、あのモビルアーマーだろ?」
「今はテメェッだ!」
なんて無茶苦茶な奴だ。
なんて自分勝手な奴だ。
モビルアーマーを倒さなきゃいけないのに、なんでこの人は邪魔をする?
コイツが、仇とかなんとか言ってたけど関係ない。今はモビルアーマーを倒さなきゃ、その仇すら撃てないんだ。
「グラン二尉!やめろ!」
もう片方のグレイズが、俺の邪魔をしてくるグレイズの前に立つ。
「邪魔だッ!」
グランという男のグレイズはアックスを振り下ろし貧弱そうなグレイズの右腕を斬り落とした。
「バルバトスのパイロット!
コイツは俺が抑える。だから、アイツを!」
「分かった」
これで邪魔者は居なくなった。
じゃあ、やるか。
滑空砲を構え、モビルアーマーに標準を付ける。残り段数も少ない。確実に狙いを定めて撃つ。
放たれた弾丸はモビルアーマーの頭部に命中し、モビルアーマーの動きを鈍らせる。やっぱり、どんな生き物でも機械でも頭は弱点なんだ。
カンッカンッカンッ。
連続三連射。あと一発。
最後の弾丸もモビルアーマーの頭部に命中した。
弾の無くなった銃なんて持ってても意味ない。滑空砲をモビルアーマーに投げ捨てた。
投げ捨てた滑空砲はモビルアーマーにあっさりと命中し爆散した。
残された武装は太刀のみ。
なら、する事は一つだ。
動きを止めたモビルアーマーの周囲を高速移動し斬撃を叩き込む。
一箇所に留まらず、一撃すれば移動し攻撃する暇を与えない。
「もっと、もっと、もっと、速くだ」
バルバトスはその想いに応えるように速度を上げていく。
そしていつの間にか、俺はバルバトスを操縦している感覚を喪っていた。
なんだろう、この感じ。
さっきまでとは違う感覚だ。
俺は、モビルスーツに乗っているんだよな?
なんか違う。これって、なんだ?
コイツが、俺の思い通りに動く。
それはさっきからそうだった。でも、これはさっきとは違う。確かに、思
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