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我が剣は愛する者の為に
頼る事
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ように、刀を軽く振りながら縁は言う。
その言葉に丁奉は眉をひそめる。

「どういう事だ。」

「簡単だ。
 さっきの一撃、手加減しただろ?
 でなきゃ、こんな細い刀で防げるわけがない。」

縁の説明を聞いて丁奉は何も答えない。
高みの見物をしていた賊達は縁の言葉を聞いて、丁奉に言う。

「おい、てめぇ!!
 手加減してるったぁどういうことだ!!」

「人質の命がどうなってもいいのかぁ!!」

賊達はそんな言葉を投げかける。
それを聞いた丁奉は何かに耐えるように、歯を強く食いしばる。

「テメェらは黙ってろ!!」

縁の殺気の籠った声に驚き、びびった賊達は一斉に口を閉ざす。

「全て見通されていたのか。
 確かに人の事は言えんな。」

観念したような口調で丁奉は言葉を続ける。

「妻は病気で亡くなり、最後に娘を頼むと言って逝ってしまった。
 漢王朝も腐敗していく中、儂は命を懸けるのも馬鹿馬鹿しくなった。
 こんなのに命を懸けるのなら、娘の為に生きよう、そう思ってこの村に辿り着いた。
 娘を幸せにしようと生きていたのに、今はこの有様だ。」

自分が持っている斧を強く握りしめる。

「村の者には迷惑をかけ、賊のような事している自分が許せなかった。
 娘を人質に取られていても許せなかった。
 そして、お主のように次の世代の芽を儂が潰すのも許せなかった。」

「それで手加減したのか。」

縁の言葉に丁奉はゆっくりと頷く。
彼は迷っている。
娘の命一つの為に、賊まがいのような事をしていいのか?
自分がこうしているだけで村の人はどれだけ迷惑がかかり、下手をすれば死人が出るかもしれない。
娘を見放し、他の子供達だけでも救う。
そうしようとどれだけ考えたが、いざ自分の娘が死んだ所を想像すると、手足が震えた。

「だが、お主が来た。
 お主のような男はそうは出てこない。
 次の世代の芽を潰す事は儂にはできない。
 だから」

「だから、娘を犠牲にするつもりか?」

自分が言おうとしていた事を先に言われた丁奉は眼を見開く。
驚いた丁奉だが頷いた。

「ふざけんな!!」

それを見た縁は激怒した。
丁奉は分からなかった。
縁が激怒する理由が。

「俺が来たから大事な娘を犠牲にするだと!?
 寝言は寝てから言え!!
 その子はあんたの大事な娘じゃないのかよ!!」

「大事に決まっているだろう!!
 儂の命にかけても守りたいと思っているに決まっているだろ!!」

「だったら守れよ!!」

「なら、お主は賊まがいの事を儂にし続けろというのか!?」

「この・・・大馬鹿野郎が!!」

縁は足を氣で強化して一気に近づく。
そのまま丁奉に
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