ターン76 鉄砲水と紅蓮の黒竜
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そこで僕が気を遣われてどうするんだ。
「……ターンエンドです」
「ぐっ、また……いいだろう、ならばそのエンドフェイズにトラップ発動、レッドアイズ・スピリッツ!このカードの効果により、俺の墓地に存在するレッドアイズ1体を蘇生する!蘇れ、真紅眼の黒竜!」
真紅眼の黒竜 攻2400
再びその声音から優しげな色が消え、身にまとうオーラが膨れ上がる。それにしても、墓地から真紅眼か。たった今1体をデッキバウンスしたばかりなのにこうして出てきたところを見ると、どうやらあのカード・フリッパーは展開の起点としてツーヘッドを攻撃表示に変更しただけでなく、手札のあのカードを墓地に送る役目も果たしていたらしい。どうりで、手札コストを躊躇せずに使ってきたわけだ。
いや、待て待て待て。何か変だ。
『だな。真紅眼の幼竜を攻撃に合わせて蘇生させていれば攻撃が抑制でき、仮に攻撃されてもリクルートに繋ぐことができた。わざわざ戦闘ダメージを受けてまでこのタイミングでの、それも真紅眼の黒竜の蘇生を優先させた、ということは……』
「真紅眼の幼竜じゃなくて、本家じゃないとできないこと。メイン2でこっちの手札に壊獣があってもどうにもできない、確実にあのレッドアイズを場に残した状態でターンが回ってくることが重要になるカード……」
チャクチャルさんの言葉を引き継ぎ、場の状況から推察できることを口に出すことで考えを整理する。その言葉を、再びチャクチャルさんが引き継いだ。
『だが、黒炎弾ではないだろうな。あのカードなら2400のバーンダメージが与えられるとはいえ、それで自分も2400の戦闘ダメージを受けるのはやはり割に合わないだろう。これで彼の場に伏せカードはないから、メタル化・魔法反射装甲の線もない。となると、答えはおのずと見えてくるか』
場に真紅眼の黒竜が存在することを条件とする、黒炎弾以外のもう1つのカード。ダークネスの力を得た吹雪さんの操る、ある意味もっともシンプルな進化の形ともいえる黒を越えた漆黒のドラゴンのあの姿が、僕の脳裏に浮かんだ。
「場の真紅眼の黒竜をリリースすることでのみ、このカードは特殊召喚できる。出でよ、真紅眼の闇竜!」
闇の力を纏う真紅眼が、その闇の中で急速な勢いでの自己進化を遂げる。高速で高高度を飛行するためにはむしろ邪魔となる両腕は退化し、全身のフォルムをより鋭角的にすることで空気抵抗を少なく。体表には溢れ出るそのエネルギーが従来無かったオレンジ色の模様という形で浮き出て、かすかに脈動しながら薄く光を放っている。やはり来たか、吹雪さん第一の切り札。
真紅眼の闇竜 攻2400→3000
「このカードの攻撃力は、俺の墓地に存在するドラゴン族1体につき300ポイント
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