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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン76 鉄砲水と紅蓮の黒竜
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がらも決して力押し一辺倒にはならないテクニカルな面も見せる、なんとも掴みどころのないデッキだ。以前戦った時にはダークネスの力からその新たなる可能性、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンなる切り札も披露してもらったっけか。
 そんなデュエリストを相手に先攻を取るにしては、やや不安の残る手札か……いや、このカードなら何とかできるか。

「ツーヘッド・シャークを守備表示で召喚。さらにカードをセットして、ターンエンド」

 ツーヘッド・シャーク 守1600

「俺のターン、ドロー」

 そういえばいつの間にか、吹雪さんの一人称が俺になっていた。これもダークネスの力の影響だろうから、なるべく早く揺さぶりを掛けないと……いや、落ち着いていこう。自分のペースを崩した状態で押し切れるほど、あの人は甘くない。

「魔法カード、カード・フリッパーを発動。手札1枚を捨て、相手の場に存在するモンスター全ての表示形式を変更する」

 無数の糸が伸びて鮫の体を絡め取り、無理やりその姿勢を変えて攻撃態勢を取らせる。ツーヘッドの攻撃力はレベル4モンスターにしては低いため、攻め込む際や雑魚散らしにこそ向いているもののこうなると弱い。

 ツーヘッド・シャーク 攻1200

「さらに、真紅眼の幼竜(レッドアイズ・ベビードラゴン)を召喚する。バトルだ、ツーヘッド・シャークに攻撃!」
「相打ち狙い……?迎え撃て、ツーヘッド!」

 真紅眼の幼竜……あれも、初めて見るモンスターだ。生まれたての状態だった黒竜の雛よりは大きいものの、本家真紅眼と比べれば確かに顔立ちも幼くサイズも小さいその竜が、口から小さな火炎弾を吐き出した。

 真紅眼の幼竜 攻1200(破壊)→ツーヘッド・シャーク 攻1200(破壊)

 特に攻撃力が変化するギミックもなく、同時に破壊される互いのモンスター。だが、吹雪さんはその過程で3枚もの手札と召喚権を使った。
 おかしい、絶対割に合わない。そう思った矢先、案の定廃寮内の淀んだ空気を切り裂いて漆黒の竜の翼が吹雪さんを守るように広がった。

「真紅眼の幼竜は戦闘で破壊された時、デッキからレベル7以下のレッドアイズを特殊召喚し、その装備カードとなって攻撃力を300アップさせる。出でよ、真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)!そして攻撃しろ、ダーク・メガ・フレア!」

 真紅眼の黒竜 攻2400→2700

 天上院吹雪というデュエリストの代名詞でもある絶対不変のエースモンスター、真紅眼の黒竜。なるほど、攻撃力1200の幼竜にとって、ツーヘッドはなんとしても攻撃表示に変えたい絶好のカモだったってわけか。さらにその攻撃力は300上がって2700と、このまま続く直接攻撃を許せば僕のライフは一気にその4分の3近くが削ら
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