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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン76 鉄砲水と紅蓮の黒竜
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、もういいだろう。十代君か清明君、君たちのどちらでもいい。無論無理強いはしないが、今から僕はこのダークネスの力を再び開放する。それが、これまで僕が目を背けてきた真実を取り戻すための唯一の方法だ」
「吹雪さん……」
「こんなことを君たちに頼むのは、間違っているかもしれない。だがお願いだ、僕とここで、デュエルしてくれ。ダークネスの力に飲み込まれるか、それとも真実を再び手に入れられるかは、その結果にかかっている」
「わかったぜ。なら俺がその相手……」
「いや、ここは僕が出るよ」
「でも清明、これはただのデュエルじゃ済まないんだぞ!」

 止めようとする十代を鼻で笑い、その顔の前に指を2本立てる。ゆっくりと1本ずつ折り曲げ、諭すように言い聞かせた。

「あのねえ十代、ダークネスの力を解放した吹雪さんの相手なら、僕はこれまで2回もしたことがあるんだよ?ぶっつけ本番の十代よりはきっと、安定すると思うよ。それともーひとつ、さっきも言ったと思うけど、僕だってもう見るアホウでいるのは嫌なんだから。同じアホなら踊らにゃ損損、ぜひとも踊りに加わりたいね」
『その例え、そんなに気に入ったのか?』

 うん、実はお気に入りだったり。まあ、僕の好みはこの際どうだっていい。きっぱり目を見て言い切ると、しぶしぶながら十代も引いてくれた。……なんか最近相手の目を見て言い切るとそれだけで僕の意見が通ることが多いんだけど、チャクチャルさんの力で無意識に催眠でもかけてたりするんだろうか。

『私をなんだと思ってるんだ……ほらマスター、あちらがお待ちかねだぞ』
「オーケイ。んじゃ十代、観客頼むよ。さあ悪かったね吹雪さん、それじゃあデュエルと洒落込もうか!」

 その言葉と同時に、吹雪さんがダークネスの仮面をつける。たちまち噴き上がる闇のオーラにその全身が包まれ、仮面の下から見えるその表情も闇が広がるにつれ苦痛に歪んでいく。今吹雪さんの中では、ダークネスの記憶だけを引っ張り出してなおかつその力に自身が呑みこまれないようにするための苦しい戦いが始まっているはずだ。
 つまり、僕がこのデュエルですることは2つ。ダークネスの力を少しでも外敵である僕に向けさせることで吹雪さんの自我にかかる負担を軽減させ、同時にダメージを与えることでその封印された記憶に対してのショック療法を行う。荒療治にもほどがあるけれど、ダークネス絡みとならこれぐらいしないと記憶を取り戻すなんて不可能だろう。やがて吹雪さんの内部での孤独な戦いも小康状態になったらしく、どうにか自分を抑えてゆっくりとそのデュエルディスクを構えた。

「ああ、甦るぞ、ダークネスの力が!行くぞ、遊野清明!」

「「デュエル!」」

 先攻を取ったのは僕。吹雪さんの使う真紅眼デッキは、高打点と馬鹿火力バーンを両立させな
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