ターン76 鉄砲水と紅蓮の黒竜
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か。確かに追跡されることなんて考えてなかったから、通った後の痕跡は一切消していない。そんなわかりやすいものを辿ることなんて、彼女にとっては朝飯前だろう。正門が開いていたというのは、恐らく稲石さんが手を回したに違いない。そこまでわかったところで何か口を開こうとするものの、今の戦いのダメージや疲れがどっと襲ってきたせいで上手く思考がまとまらない。
僕が無言のままなのを見て、明日香と僕の周りの空気がどんどん険悪になる。それに待ったをかけたのは、その原因となった張本人である吹雪さん自身だった。
「いいんだ明日香、彼らを責めないでくれ。彼らは僕のわがままに付き合ってもらっただけだから……それより、ようやく思い出せたよ。あの時何があったのか。なぜ僕がこの、ダークネスの力を持つにいたったのか。その全てをね」
今から吹雪さんの語る話には、何か重要な意味がある。しんと静まり返った廃寮内でゆっくりと語りだされたその話を、一言たりとも聞き逃すまいと僕らは耳を傾けた。
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