0105話『赤の純情』
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私がカーテンの隙間から朝の陽ざしを浴びながらも目を開けようとしていた時だった。
突然耳元で「て・い・と・く……」という甘い声が聞こえてきたのは。
そして当然私が驚くはずなのだけど先に榛名が《ふぁあああ!?》とびっくりしてしまっていたために私はなんとか冷静でいられたのであった。
そしてそんな甘い声を出せるのはうちの鎮守府では限られてくるんだよなぁ。
「……突然どうした龍鳳?」
「えへ。やっぱり私だとわかっちゃいましたか。さすが提督ですね!」
《ふぇえ……とてもびっくりしました》
「ごめんなさいね、榛名ちゃん」
そこには潜水母艦から軽空母へと改装が終わっている龍鳳の姿があった。
龍鳳はどこか楽しそうにころころと表情を変えながらも、
「提督! 実は折り入ってお話があるんですけどいいでしょうか?」
「なんだ? 内容にもよるけど相談には乗るぞ」
「あ……ありがとうございます! それでですね―――……」
それで私は龍鳳の頼みを聞くことにしたのであった。
それから執務を終わらせた午後に私はまたしても水着へと着替えてプールへとやってきていた。
そして龍鳳も赤い水着に着替えて大勢いる潜水艦の子達の前で笛を鳴らしながら、
「はーい! それじゃみんなー。伊号番号ごとに並んでねー?」
「「「はーい!」」」
それでそれぞれ並びだす潜水艦の子達。
伊58の六人は練度ごとにって感じで複数いる子は練度ごとに並びをしている。
おもに多かったのがやっぱりまるゆだろうな。10人弱はいるからな。
龍鳳が今回私に頼み込んできたのは潜水艦の子達の久々の訓練の様子を監視しておいてほしいとのことだ。
だから今日は貸し切りになっているので他の子達の姿はない。
「提督提督! 今日はなにをするでち?」
「一号の言うとおりでち。オリョクルじゃないの?」
「ひさびさに潜水訓練でちか!?」
「でちでち」
「でちでち」
「…………」
かなりの具合ででちでちとやかましいわ!と思った私は悪くない。口には出さないけど。
他にも、
「はっちゃん、やっちゃいますね」
「イク、いくの!」
「ニムも張り切っちゃいます!」
「イムヤも、頑張るわ」
「シオイ、潜航していいですかー!?」
「ローちゃん、頑張るですって! ね、ユーちゃん」
「うん……ユー、頑張る……」
「姉貴! 早く泳ごうよ!」
「イヨちゃん、まだダメよ……龍鳳さんの言うこと聞こうね……」
「まるゆも、あの……頑張ります!」
それぞれが色々と騒いでいた。
うん。思えば増えたもんだねぇ……。
最初の頃はゴーヤ、イムヤ、はっちゃん、イクの四人しかいなかったのが今ではこんなに仲間が増えていたんだな。
ちなみに誰が誰かわかったらすごい
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