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大統領 彼の地にて 斯く戦えり
第二十五話 悪所進出&園遊会
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そちらの条件を教えてほしい」
菅原はデュシー候の後ろにいるペルシャールを一度見た後デュシー候に視線を合わせた。
「承知いたしました」
議員たちは菅原が条件を言うだろうと耳を傾けた。が、それは彼らの後ろから聞こえてきた。
「我々の条件は5つ」
菅原ではない者の声が聞こえた議員達は一瞬混乱した。が、それが聞きなれた声だと気付くのにそう時間はかからなかった。それもそうだろう、ついさっきまで彼らに銃についての説明をしていたのだから。
議員達は急いで後ろを振り返った。

「……おっと、驚かせてしまったようで申し訳ない」
そこには先ほど説明を行っていたペルシャールの姿があった。
「ミースト殿、何故貴殿が条件を?外交官は菅原殿だったはずだが…?」
デュシー候は自身の疑問をペルシャールに投げかけた。

「これは、紹介が遅れました」
ペルシャールは一度言葉を切って礼をした。

「私がロンディバルト国の大統領、ペルシャール・ミーストです。以後お見知りおきを」

「……大統領……?」
「つまり、貴方が皇帝陛下……」
一人の声に他の議員ははっとなった。
「こ、これは!先ほどはご無礼をっ!」
「どうか寛大なご処置を賜れれば……」
議員達は先ほどペルシャールに攻め寄ったことを謝した。
「あぁ、いえいえ何とも思っておりませんのでどうぞご安心を。あの程度で私の心は変わりませんから」
ペルシャールはあくまでも笑顔で頭を下げる議員達を止めた。
一通り落ち着くと改めて条件を口にし始めた。

「先ず一つ、帝国は戦争の責任を認め謝罪し、責任者を処罰すること」
「二つ目は帝国は賠償金として5億スワニもしくは相当の地下資源の採掘権を譲渡すること。三つ目はアルヌスを中心に半径100リークロンディバルト国に割譲し、その外側10リークを非武装地帯とし双方不干渉とすること」
「四つ目は亜人への差別を禁止すること。もし確認された場合はわが軍が現地へ赴き対処することになります」
「そして最後に通商条約の締結、これら5つがこちらの提示する条件となります」
「5億スワニ!?」
「無茶だ!!国中の金貨を集めても到底足りん!!」
「それに亜人への差別を禁止しろだと!?」
ペルシャールの言う条件に驚愕の言葉を口々に漏らす議員達、ピニャも5億スワニと言う言葉を聞いて改めてロンディバルトとの差に絶望してショックで倒れてしまった。

ペルシャールはまた先ほどのように揉みくちゃにされては敵わんと菅原を置いてさっさと後ろへ下がってしまった。
そんな戦術的撤退をする大統領を後目に菅原は5億スワニはは貨幣でなくとも地下資源の採掘権でも良いということを説明して何とか議員達を落ち着かせようと奮闘した。

菅原の活躍もあってようやく議員達が落ち着いてくると、警護とし
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