第四十話 神戸に帰ってその二十
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「私も推薦入試だから」
「それに合格したら」
「お姉ちゃんも大学生なのね」
「そうなるわ」
入学の時は卒業出来るかどうかもわからなくて不安でしたがそれが三年生になっていよいよ大学入試です。
そうしたことも思い出しながらです、私は妹達にまた言いました。
「思えばあっという間だったわ」
「この三年の間ね」
「そうだったのね」
「寮に入った時なんか」
本当にあの時はどうなるかと思っていました、ですがそれでもです。長池先輩みたいな優しい先輩もいてくれて。
「不安で仕方なかったけれどね」
「凄くいい先輩もおられてよね」
「助かったのね」
「そう、私達と同じ兵庫の人よ」
長池先輩は実は兵庫の人です、ただ神戸の人ではないです。そのことからも先輩には本当によくしてもらいました。
「その人もいてくれたから」
「寮でも上手くやれたの」
「そうだったのね」
「上手にやれたっていうか助けてもらったの」
そう言うしかない状況でした、あの時は。
「何かとね、それで気付いたら二年生になって」
「三年生にもなれた」
「そういうことね」
「三円になった時なんか」
ここで妹達にさらに言おうとしましたが何故か阿波野君のことを思い出してしまいました、そしてすぐにむっとしたお顔で言いました。
「変な子にも会ったけれど」
「変な子って?」
「誰なの?」
「後輩、一年の子で」
ついつい阿波野君のことを話してしまいました。
「馴れ馴れしい子なの」
「へえ、一年の人なの」
「高校のよね」
「そう、二つ下でね」
さらに話していきました。
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