第五章 Over World
いきなり!!戦乱の予感!?
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び寄せる召喚術「勇者召喚」
それによってつい一週間と少し前、地球から一人の少年、シンク・イズミが召喚されたのだ。
「EARTH」が捉えた次元航行とはこれのことであり、あの魔法陣がそれだ。
彼の活躍によってビスコッティは連敗を押しとどめ、勝利することができた。
彼はその術式から、ビスコッティの人々からは「勇者」「勇者様」と呼ばれて親しまれている。
領主のミルヒオーレとの関係も良く、彼もまた、こういった運動(この戦場にもある巨大アスレチック等の障害物競走)が大好きだったので、すぐにこの国に馴染んでいった。
レオンミシェルの弟、ガウルとも友情を築き順風満帆な日々だった。
そうして、今回の戦が始まった。
いつものように、レオンミシェルからの宣戦布告。
彼女は何かに焦っているかのように戦を仕掛けてきた。
戦とは、一般参加の市民も楽しめるようにするのが慣習だし、相手のコンディションも汲み取るのがふつうである。
それを見ても、この戦はおかしい。
一般参加者はそれをまだ知らずに、戦を楽しめている。
だが、領主をはじめとした皆は違和感を感じていた。
ガレットの砦の中でシンクと共に待機しているビスコッティ親衛隊長、エクレール・マルティノッジも同じことを考えていた。
「どうしたの?エクレ」
「勇者。いや・・・空が暗い、と思ってな」
「あ、ほんとだ。さっきまで晴れてたのに」
今この砦(形は四角い塔に近い)の頂辺では、レオンミシェルとミルヒオーレによる一騎打ちが行われているはず。
ここの屋上は天空闘技場であり、一つの名物となっている。
落下を防ぐため、小さな塀で囲ってはいる者の、基本的には何もない場所だ。
今は空も荒れていて、吹きさらしになっている。
そんなところに一騎打ちだと言って一人で乗り込むミルヒオーレの度胸も大したものである。
「姫様もやるなぁ。レオ閣下と話したいために一騎打ちを申し込むなんて」
「姫様だってビスコッティ領主だ。剣の腕はある」
「でもレオ閣下の方が・・・・」
「・・・まあそれは認めるがな」
しかし待機は待機だ。
だが――――――
「こっちからならいけそうだよー!!」
「おい貴様何してるんだ!!」
シンクはその塔の外壁をよじ登ろうとしていた。
というかもう五メートルは登っている。
「おい!姫様は」
「姫様は「ここからは一人で登ります」って言ってた。だからこっちからなら問題ないはず、っと」
「子どもかお前は」
「来ないの?」
「行く」
そうして、登って行く。
一騎打ち
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