第五章 Over World
いろいろと始まる
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報告書
愛知県紀乃川市にて、次元転送の反応あり。
転送地点は同市内のインターナショナルスクール玄関前。
転送先世界は不明。
しかし、対象世界は管理、管理外両世界のいずれにも確認されない世界である。
「―――――なるほどね。これは時空管理局の手に余る」
そういって、ショウが空を見上げる。
近くには蒔風が地面にしゃがみ込んで、そこを撫でていた。
今回調査に同行したのは、時空管理局からティアナ、ルネッサ。
そして異次元ということもあって海東が来ていた。
「他の世界。しかも知らない世界なら大歓迎さ」
「お前絶対お宝目当てだろ」
「窃盗働いたらその場で逮捕しますよ」
「おーコワ」
蒔風の指摘、ティアナの釘打ちに、海東が肩をすぼめて答える。
「いざとなったら宇宙に打ち上げて巨大ロボットで土星を旋回してドリルキックするからな」
「君はそれが出来そうで怖いよ」
「というかこの先の世界に土星はあるのか?」
ショウの言葉に呆れながらも、蒔風が微量な力の跡を感知する。
まるで欠片のようにポロポロと、地面に転送魔法陣が浮かび上がっていく。
「こーりゃ結構前だな。一週間半くらい前じゃないか?」
「行き先はわかりますか?」
「うんにゃ。魔法陣の再生でまだ手一杯」
「・・・・おい。魔法陣のデータ寄こせ。計算してやる」
ショウの言葉に、蒔風が振り返ることもなく翼を広げた。
そこから一枚の羽根が舞い、ショウの手に収まって消えた。
「オッケー」
「でも計算するって・・・・・ってブッ!?」
「あん?なんだよ」
再生していく魔法陣を見ながらティアナが聞き、ショウに振り替えるとその光景に思わず吹き出してしまった。
そこにいたショウは鉢巻をして、シャープペンをクルクルと回し、「夏みかん」と書かれたダンボールの上に紙を積んで計算を始めていたのだから。
「ちょ、なんですかそれ!?」
「世界の計算。で、途中でもなんでもこの計算結果を蒔風の方にも回せばそれだけ再生も早まるだろ」
そういって蒔風の羽根を鉢巻にさしてカリカリと計算を始めるショウ。
シュールすぎる光景だった。
「へぇ、これが計算式?どういうものか、興味あるね」
「あー、やめとけ。多分わからねェから」
すでに二、三枚消費された紙を手に取り、海東が眺めるがショウの言うとおり、三分でボンッ!して投げ出してしまった。
三分もよく考えられたもんだ、とショウも呆れながら計算を続ける。
「ルネ、そういえばイクスどう?元気?」
「あ、はい
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