第五章 Over World
命名放浪
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「だぁ!!疲れた!!」
「どうかしましたか?」
「いやぁ・・・・なんかな。例えるなら三年近くかけて連載される話を、一気に押し進められたかのような疲労感」
「あなたは一体何を言っているんですか」
「EARTH」局長室
そこで蒔風とアリスが何でもないような話を進めていた。
蒔風の言葉を流し、アリスがドサリと書類を置く。
「まだあんの!?」
「赤銅との戦いが大きかったですしねぇ・・・・逃げんな!!」
「回避!!」
あの大きな戦いを思い返し、アリスがうんうんと頷いている隙をついて蒔風が逃走しようとしていた。
それに向かってアリスは投げ縄を飛ばすが、彼はそれを回避してしまう。
「えぇ!?」
「はっは!!そう何度も喰らうか!!」
そして振り返りながら言葉を残して外に出ようとする蒔風
プシュ、と扉が開き
ドン
と誰かにぶつかった。
「おや?」
「こらテメェ何逃げようとしてんだ」
「ゲェッ!?お前!?」
「ほいよ」
「あ、ども。ありがとうございます」
蒔風を犬か猫のようにつまみ上げてアリスに渡す男。
アリスも日常会話のようにどうも、とそれを受け取った。
蒔風がぶつかった人間は「奴」だ。
今や「EARTH」副局長となった彼にもまた、書類仕事は当然ある。
だが彼はそれを昨日までにチャチャッと終わらせて、何か予感があったから、こうして立ちはだかりに来たのだ。
「なにこれ。俺逃げ場ないじゃん」
「そもそも逃げようとしないでください」
「バカな!!大きな戦いが終わった後。それは俺とアリスの追いかけっこの始まりじゃなかったのか!?」
「思い返せばそんな気もしますがそんなテンプレ許しませんよ!!!」
ギチィ
アリスの腕から出る光に縛られ、蒔風が椅子に座らされる。
それを見てやれやれと頭に手を当てながら退室していく「奴」。
「あ!!お前逃げんなよ!仕事しろよ!!」
「したんだよ!!なんでお前の分までやらにゃならんのだ!!」
「・・・・俺だから?」
「あ?」
チャキッ
「なーんて!!冗談ですヨー!?あははははは!!!」
そうして、蒔風がそそくさと仕事に戻る。
時間は午前九時。
少し遅いかもしれないが、「奴」は朝食を取りに行った。
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「・・・・・なにこれ」
じー・・・・・
じー・・・・・
じー・・・
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