第五章 Over World
命名放浪
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「そうか・・・そういえば名前を決めないと大変なんだったな」
思いのほか話題に乗ってくれる四人。
まあアンデットである始を紆余曲折あって受け入れたんだから、そこら辺は寛容なのだろう。
「スュン」
「テキトーだろ剣崎」
「マウィカゼ」
「苗字はいいんだよ。名前だよ」
「いつか適当に決まるだろ」
「相川。お前の名前はどうやって決まったんだよ」
適当なことを言ってくる剣崎と橘の言葉をポイして、「奴」が始に問う。
確かに、最初からジョーカーだった彼は、一体どうして「相川始」という名を名乗ったのだろうか。
「ヒューマンアンデットの名前か?」
「いや・・・あれは俺がヒューマンアンデットを封印して、街に出た時だ―――――」
俺は住宅街に迷い出た。
ヒューマンアンデットのものかどうかは知らないが、一般知識は脳内に流れてきていたからとくに混乱することはなかったが、それでもおっかなびっくりだったことは覚えている。
その住宅街の中で、ふとある家の表札を見た。
その家が「相川」だった。
少し歩くと小学校があった。
下校時間だったのか、子供たちが飛び出してきて
『おい!!この後遊び行こうぜ!!』
『じゃあ始ん家な!!』
『おっけー!!』
『始か・・・・・』
「―――――そうしてオレは相川始を名乗った」
「「「「そんないきさつ!?」」」」
「ああ。あのころは名前にいちいち関心を持ってなかったからな」
「じゃ、じゃあもしその子が女の子だったら・・・・」
「ああ、相川京子だっだかもしれないし、相川幸子だったかもしれない」
ポン
「ホント、良かったな」
「ああ、本当にな」
キュッキュッ、カチャ
「で、「奴」さんの名前ですよね?舜さんと近い感じがいいとして・・・・ションやシャンはちょっとあれですよね?だから・・・・・」
ガシッ!!!
「上城・・・お前ホンットいい奴だな」
「え?」
「おーい、俺も思いついたぞー」
「うむ、今度こそ」
「ふん。お前らなんか当てにしねーよ。あっち行ってろ。シッシッ!!」
睦月の肩を掴んで、涙ながらに感謝する「奴」。
後ろから剣崎と橘も話題に入ろうとするが、いじけた「奴」は口をとがらせてそっちに追いやる。
「やっぱりからかったのがまずかったかなぁ」
「あの様子だと、他のところでもいじられまくったんだろう」
「私の扱いが・・・軽い・・・」
「橘さん、それ違くないですか?」
「おっと、しまった」
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