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夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和
LINK−0 後編
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置いた。
「「決闘!!」」

「あ、わわ……」
 男児は腰を抜かして樢の背中辺りを視界に入れながらぐるぐると考えていた。
(あの板は何?なんで遊戯王してるの?何これ?)
「リンク召喚、LINK−4、《ファイアウォール・ドラゴン》!」
 樢のフィールドに新たなモンスターが現れた。
(なんでお姉さんは最初からそれを知ってたの!?)

「ロボオオオおオオおオぉオオ!!」
LP800→0
 樢は決闘に勝利した。『YOU WIN !!』の電光掲示が流れる中デッキを仕舞う。
「ば、馬鹿なロボ……。先攻1ターン目で……」
「はい。勝ったんだから、もうこの子につきまとったりしないこと。いい?」
 樢はまっすぐ少年の顔を見つめた。少年がうなだれているので、どうしても見下すようになってしまう。
「くぅ、わ、分かったロボ」
 少年はよろよろと立ち上がるとすごすごと引き返していった。
「……ふぅ」
 樢が一段落ついていると、
「あ、ありがとうございます」
 後ろから消え入るような声がした。
「大丈夫?」
 樢は振り返りかがんで目線を男児に合わせた。
「はい。大丈夫です」
 男児はガクッと頷いた。
(この子、ムーラキーってののせいで狙われ続けるのかな?もしそうなら誰かに守ってもらえるならいいけど……)
 樢がぼんやりと憂いていると、ふと背後に気配を感じた。
「お前、噂に見たことあるぞ。確かアイデ キトリとかいう」
「哀手 樢よ。木に鳥で樢」
 樢は振り返った。声の主は真っ黒のかなり大きなマントで素性の分からないぐらい全身を覆っている。
「アイデ キニトリデモク」
「喧嘩売ってんの?」
「クククク」
 マントの上の方が、愉快そうに揺れた。
「例え今どこにあろうとムーラキーは必ず吾輩の物にする」
「……あのね、」
 決闘による略奪に文句の1つでも言いたくなった樢だったが、
「いいや、俺の物だ」
 突然の声に思わず口を止めた。
 声のする右斜め前を観ると、十字路の影から何者かがこちらを見つめていた。
「いいや、私の物だ」
「いいや、我の物だ」
「いいや、アタシの物だ」
「いいや、拙者の物でござる」
「いいや、もうなんでも」
 前から、後ろから、横から、人の重く囁くような声が聴こえる。
「クフフフ、まぁ、精々頑張るといい、哀手 樢……」
 黒マントの男は後ろを向くとゆっくりと歩き去っていった。
「頑張るって……え!?」
「あの、哀手、樢さん、」
「うん」
 樢は振り向いた。
「守ってくれるんですね。ありがとうございます!」
「え?」
 周囲の人影がカサカサと揺れる。
「哀手 樢がムーラキーを守っている」
「哀手 樢からムーラキーを奪い取る」 
「哀手 樢を倒す」
「哀手
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