LINK−0 後編
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「ありがとう。もらっておくわ」
「はい、樢さんの手にそのカードがある限り、」
ウィィィン
夢値が喋っている途中に、突然夢値とダードの体が持ち上がった。
「え、どうしたの?」
「あーこれ、間違えてタイマーにしちゃいましたね」
夢値とダードがいるのは、丈夫そうな筒の中だった。
「え、まじか……ん、じゃあな樢。今までありがとう」
「というわけでさよなら樢さん」
「え?はい?」
ダードと夢値の巻いた別れの挨拶と共に、筒が割れた窓の先を指す。
「え、あ、夢値、ダード」
ぼひゅううううううううん!
心優しいパワーファイターを思わせる音を立てながら、夢値とダードは窓を抜けて空高くへ飛んでいった。
「え、えー……」
樢が外を見るも、それはただのきれいな青空にしか見えない。
「お元気で?」
樢はぽかんと空を見つめた。
夢値とダードがいなくなって3年。
樢はなんとなく快晴の空を見上げた。
意味も無く見上げただけの空は、どこまでも明るくて、希望に満ちていた。
「いい天気だなぁー」
そう呟くと、彼女の体中に漠然とした期待が充満していった。
「なんかいいことありそう」
だが上ばかり見ていては歩けない。樢が目線を前に戻すと、
「探したロボ。痛い目に遭いたくなければおとなしくムーラキーを寄越すんだロボ……!」
「ひひひ、人違いじゃないでしょうか?」
遊戯王カードのデッキを構えた変な少年が男児を威圧していた。
「人違いのはずがないロボ。ろぼはこの数ヶ月、ムーラキーのことばかりを考えていたロボ。ろぼの直感に狂いはないロボ」
「ひぃぃ、だ、誰かぁ……」
年上に睨まれ足をガタガタさせながら悲鳴を上げる男児を見て、(そう言えば夢値もこんなぐらいの年だったわね)と思いながら、2人に近づいた。
「ちょっと、あんた何やってんの?」
少年に声をかけると、少年がこちらを向いた。
「貴様……ろぼの邪魔をするロボ?」
「そうやって詰め寄って無理矢理決闘挑んでさー、やめた方がいいよ?」
少年は睨みつけてくるが樢の方がある程度年上だ。樢は全く怯まなかった。
「ふん、じゃあ貴様がこいつの代わりに決闘するロボ?」
「うーん……」
樢はキョロと辺りを見渡した。男児は真後ろで震えている。樢はそれを一瞥した。
「僕はいいです、なんでもいいです……」
「ん、分かった。それでいいよ」
「フーフーン、騎士気取りめ、ボコボコにしてやるロボ」
少年はデッキを再び構えた。
「騎士気取りじゃないわよ、ただの通りすがり」
樢は荷物からデッキを取り出した。
「「デュエルプレートオン!」」
2人の宣言と共に透明なパレットのようなものが1人辺り1つ中に浮かぶ。樢と少年はそれぞれそれにデッキを
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