第五話 不安の始まり
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、見張り員など艦娘の補助として幅広い分野で活躍しており、今の世界では欠かせない存在となっている。
そしてこれは最近の研究でわかったことだが、艦娘の建造の際に妖精さんがいるかいないかで大きな違いが現れるという。
建造に妖精さんがいる場合は建造された艦娘は妖精さんの言葉を理解できるが、建造に妖精さんがいない場合、その艦娘は妖精さんの姿を見ることはできても言葉を理解することができないことが判明した。そして、この時雨は凰香が一人で建造したため、妖精さんの言葉を理解することができないのである。
「ーーーー!ーーーーー!」
妖精さんはよくわからない言葉を叫びながら凰香の足を殴ったり蹴飛ばしたりしてくる。
「どうしたの?」
凰香は一人の妖精さんをつまみ上げ、同じ目線で問いかける。しかし妖精さんは相変わらず訳のわからない言葉を叫びながら足をジタバタさせるだけであった。まるで凰香に何かを伝えようとしているようだが、凰香は妖精さんの言葉が理解できないために伝わらない。
「時雨、何かわかる?」
「残念ながら、僕にもわからないよ」
時雨が首を左右に振る。凰香が再び妖精さんに問いかけようとしたときーーーー
「うるさいわね………どうしたのよ?」
ーーーー何処かで聞いたことのある声が聞こえ、後ろにある浴槽へと続く扉が開いた。その音に反応して、凰香と時雨は振り返る。
そこには、昨日出会った花の髪留めが特徴の艦娘『曙』が、タオル一枚の姿で固まっていた。
一応タオルで身体を隠しているものの、水を吸ったタオルが身体に張り付いているため、身体のラインが浮き出しているのであまり意味を成していない。
むしろタオル越しに見える防空棲姫や時雨、榛名や夕立ほどではないが程よく引き締まった身体のラインの方が艶かしく見えると言ってもいいだろう。
「何してんだこのクソ提督ゥゥゥゥゥウウウウウウウウ!!!!」
しかしその直後、顔を真っ赤にさせた曙が叫びながら凰香の顔面に向かってプラスチック製の風呂桶を投げつけてくる。まあ凰香がそれを受け止めたことは言うまでもないが。
………
……
…
ーーーー艦娘の整備方法。
深海棲艦との戦闘で傷ついた艦娘は、ドックに入って傷を治す。
かつての艦船なら工廠のドックでいいのだが、人間と同じ姿をしている艦娘は従来の方法では修復が不可能であった。
そこで艦娘のドックは人間が使う浴槽と同じ形にしたのだ。そして修復する際も特殊な薬液を溶かしたお湯で浴槽を満たすだけでいい。おまけに言うと本来の入浴にも使用できるので、入浴専用の設備を併設する必要はない。そもそも、凰香が榛名と夕立を助けたときも入渠ドックに入れていた。
つまり、鎮守府におい
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