暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
番外編 第3話 『大好き』
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 だけど、シノンは首を横に振った。

「大丈夫だよ。……だって、リュウキは 隼人は隼人だから。私は隼人に救われてるから。……だから 心配しないで」
「……そう、か」
「うん。だから……今だけは、こうさせて。この時間が0になるまで、このままで……」

 シノンはリュウキを更に強く抱きしめた。
 身体の温もりが強く伝わる。そして シノンの視界にとあるウインドウが勝手に立ち上がった。

「っ……!?」

 それは、今まで見た事の無い項目だが、存在している事は知っていたモノ。
 自分には きっと縁なんて無いと思っていた筈の設定画面。

《倫理コード》

 それを解除するかどうかの有無だった。

「………っ、え、そ その……っ」

 何故この設定画面が今目の前に現れる? 

 これは オプションメニューの異常なまでに深い部分に存在しており、間違えて解除してしまう様な事が無い様にと設定されているんだ。或いは R-18? の為なのか。
 
 今そんな操作をするつもりは、とシノンは慌ててしまったのだが、全く考えてなかった訳ではない。リュウキを強く想っているからこそ、自分の愛情の表現の究極系を彼に捧げたいと思わなかったと言えば嘘になってしまう。

 でも、今は 今この瞬間は誓ってシノンは考えてなかった。抱きしめて 抱きしめ返されたこの状況も十分すぎる程奇跡的な事だったから、それ以上を求める事なんて考えてなかったんだ。

「ぁ………」

 その時だった。
 リュウキの目が 明らかに代わった。


「シノン。……いや、詩乃」
「っ!」
「大好き、だよ……」


 大好きな人から そんな事を言われて、耳元で囁かれて、理性を保ってられる者など この世に存在するだろうか。それは男女問わない。女だって嬉しい。心底嬉しいんだから。

 軈て 理性は完全に消し去った。リュウキから貰った大切な言葉。シノンは言葉だけでなく行動でも返すのだった。――その後の詳細は省く。





 





 場を照りつける太陽。
 ログハウスの中にも暖かい光が降り注ぎ、光の筋が幾つか生み出している。それは幻想的とも言える空間で 見る者全てに安らぎを与えてくれると言っても大袈裟じゃない。

「ぅ……ん……」

 そんな中で目を覚ましたのだから、目覚めが悪いとは言えない……だろう。普通なら。
 だが生憎今は普通じゃなかったんだ。

「っ シノンっ」

 意識が覚醒したのを自らで認識すると、リュウキは即座にスイッチを切り替えた。現状の自分の状況。そして 眠る前の事。この場にいるシノンの事。起きたばかりだが全てが頭の中にあった。

「おはよう。リュウキ」

 そして、笑顔で起こしてく
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