提督の抜き打ち業務チェック〜明石酒保編・後編〜
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言い出した。
「あら霞も?実は私もなのよねー」
「お互い仕事のしすぎで疲れてるんじゃないかしらー」
「そうねー気を付けないとねー」
「「戻ろう」」
ぎこちない動作で回れ右をした2人は、そそくさと店から出ていってしまった。
「オイ明石」
「知りません私はなにも知りません見逃して下さい許して下さい」
ちょっと壊れかけた明石は放っておくとして、さっき霞が言っていた事を思い出してみる。確か『コレクション』がどうのとか『新品を補充』とか言ってたな。思い出してみれば、時々ではあるが俺が席を外して帰ってくると、制服が真新しい物に変わっていたり、歯ブラシが替えてもいないのに新品になっている事があった。まさかな……流石にそこまで行くと『変態』とか『ストーカー』の領域だぞ。考えすぎるのはよしておこう。
「後は俺のプリントされた抱き枕に……化粧品?」
「あー、抱き枕は中々の人気商品ですよ?リピーター続出です」
「リピーター?何で抱き枕にリピーターが発生すんだよ」
「皆さん愛が深すぎて、ギュ〜っと抱き締めすぎて首の部分がもげちゃったりするらしいんですよ」
「愛が深すぎる上に重すぎて怖ぇよ。んで、何でこの化粧品はこの部屋に置いてあるんだ?表にもあったろ確か」
「あぁそれですか?それ私が開発した奴なんですよ。表のは市販の化粧品メーカーの奴です」
皆さん潮風と直射日光に晒される所で働いてますからねー、スキンケアとか気にしてるんですよーという明石の尤もらしい説明に適当に相槌を打ちつつ、何気なく成分表示を眺める。
「オイコラ淫乱ピンク」
「何でしょうか提督、というかそのあだ名は確定なんですか……」
「この成分表示に書いてある、『提督エキス〜%配合』について答えて貰おうか?」
瞬間、石化したように固まる明石。
「どうした?答えないと憲兵さんだぞ?」
「うぅ……わかりましたよぉ。提督が入った後のお風呂のお湯を煮詰めてエキスにしたんです」
「……は?」
「だから、提督の入った残り湯を濃縮した物が『提督エキス』の正体です」
「えぇ……」
聞き間違いかと思った……というよりも聞き間違いであって欲しかった。もはや変態どころの話じゃねぇぞコレ。ほっといたらヤベェ奴だ。
「明石?」
「ハイ」
「この部屋の商品……いや、化粧品関連だけでいい。全部廃棄しろ」
「えぇ!?これだけ揃えるのにどれだけ掛かったと」
「文句は……ねぇよな?」
拳をゴキゴキと鳴らして脅かしてみせる。
「……ハイ」
「これからも俺に関するグッズを作るなとは言わんが、俺に許可を取ってからにしろ。もし次見つかったら……解る
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