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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
516部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその八

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第四十一話 周喩、病が治るのことその八

「それはその通りだ」
「それで今かなりの大声で叫んだがいいのか」
「だからそういうことは気にしないの」
 孫策もまた彼に言う。
「そう、気にしたら駄目よ」
「そういうことなのだな」
「世間っていうか世の中ってあれじゃない」
 孫策はさらに言う。
「突っ込んだり考えたら駄目なことってあるじゃない」
「それはわかるつもりだが」
「特に声のことはね」
「それは駄目か」
「そういうことだから」
 こう話す彼女だった。
「わかっておいてね」
「意識はしておく」
 これが銃士浪の返答だった。
「それではだ」
「それでだが」
 華陀がまた言ってきた。
「いいか」
「ええ」
「何だ?」
「患者を診たい」
 こう言う彼だった。
「その時に服を脱がせるからな」
「それでか」
「そうだ。二人は退室してくれ」
 銃士浪の言葉に応えてだった。
「そうしてくれるか」
「わかった」
「それじゃあね」
 銃士浪だけでなく孫策も頷く。しかしだった。孫策はこんなことも言うのだった。
「ただ。冥琳の裸だと」
「雪蓮、それは」
 周瑜はそのベッドの中から孫策を咎めてきた。
「言ったら駄目よ」
「あら、そうなの」
「そうよ、駄目よ」
 目もだった。咎めるものだった。
「言わないでおいてね」
「わかったわ。それじゃあね」
「では俺達はだ」
 銃士浪は部屋を出ようとしていた。
「部屋を後にしよう」
「ええ、それじゃあね」
 孫策も彼の言葉に頷く。そうして二人で部屋を後にする。こうして華陀は周瑜と二人だけになった。そして二人になるとであった。
 彼はだ。あらたまった調子になって周瑜に問うのだった。
「一つ聞くが」
「何かしら」
「風邪ではないな」
 こう問い返すのである。
「そうだな。違うな」
「わかるのね」
「だから俺は医者だ」
 これが周瑜への言葉だった。
「その顔色でわかる。咳も出ているな」
「ええ、前からね」
「では間違いない。あんたの病気はだ」
「何だというの?」
「労咳だな」
 それだというのである。
「それだな」
「ええ、そうよ」
 周瑜も華陀のその言葉にこくりと頷いた。
「その通りよ」
「言っておくがこのままだとだ」
「長くないというのね」
「労咳は確実に死に至る病だ」
 そうだというのである。

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