蒼雷の恋慕 01
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ボクには昔から分からないことがある。
その人のことが好きか嫌いか。その違いは分かるし、判断もできる。
だけど友達に向ける好きと特別な人に向ける好き。その違いはよく分からない。
シュテるんや王さま、ユーリとは小さな頃から友達だし、あの頃はボクの言動にあれこれ言われた覚えはない。うるさいだとかそういうことは除くけど。だって元気なのはボクの取り柄だし。
話を続けるけど、今から10年くらい前にボクはとある男の子に出会った。
その子はレーネが面倒を見てた……というか、レーネの面倒を見てた子でボクらとは同い年。名前はみんなもご存知、夜月翔。ボクはショウってずっと呼んでる。
最初ショウの家には、仕事の関係でホームステイしていたシュテルに会うために行った。先に王さまだけ行ったのがずるいと思ったりしたような気もするけど。まあそのへんはどうでもいいかな。
ショウとは出会ったからずっと友達。
まあ多分だけど、今にして思えばそう思ってたのはボクだけだろうけどね。ショウが人との距離を一気に縮めないタイプなのは理解しているし。
まあ明確な拒絶がなかったというか、なんだかんだで何でも付き合ってくれる性格だったからボクは遠慮しようと思わなかったけど。
だって仲良くなってればシュテるん達が仕事とかしてる時に遊べるし、美味しいお菓子を作ってくれたりしてくれるしね。それがなくても友達が増えることは良いことだし。
ただ……ショウが中学生に上がった頃くらいかな。
シュテるんや王さま、なにょはやへいと……みんなしてボクにもっと女の子らしくしろだとか、ショウに抱き着くなって言うようになったのは。手を繋ぐくらいならあまり言われなかったけど。
後ろから抱き着いてショウの頭の上にボクの頭を乗せる。そういうことは昔からやっていたことなのに何で急に言われるようになったのか、その頃のボクはよく分かってなかった。
ショウが露骨に嫌がってるならやめるけど、別にショウからやめろとはそこまで言われたことがないし。さすがにやり過ぎたときは言われたけど。
ボクとショウの問題だから別にいいじゃん。
そう思うことはあった。
だってボクとショウは昔からの友達だし、友達ならスキンシップを取るのは当たり前だよね。シュテるんや王さま達にもボクはショウにしてることと同じことをやってるし。
今はどうなんだと聞かれたら、正直に言ってあまり変わってない。
どうして世の中にはボクのように男の人に抱き着いたりしている人は居るのに、どうしてボクはショウに抱き着きたりしたらいけないのか。
誤解が生まれる? そういう関係じゃないしたらダメ?
分からない。ボクにはよく分からないよ。
ボクはショウのことが好きだ。ショウだってボク
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