暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第53話「私も動かなきゃ」
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音曰く女尊男卑の思想の連中だし、少なくとも秋兄とあいつは確実だろう。
 そして、桜さんが所属していたという理由で、同じ所属の私達も...と言う訳だ。

「先生にも言っておくつもりだけど、シャルも気を付けてね。いつも味方が傍にいるとは限らないから。」

「う、うん。...マドカこそ、気を付けてね。」

「大丈夫。こういった類には慣れているから。」

 亡国企業にいた時の経験が活きる時だね。
 ただの学生や教師に負けるつもりは毛頭ないよ。

「じゃあ、私は私で色々調査してみるよ。そっちは任せたよ。」

 普段は桜さんや秋兄と同行としていたけど、久しぶりに単独行動だ。
 冬姉や、生徒会長とは情報交換とために関わったりするけどね。





「...やっぱりそう上手くはいかないか...。」

 しばらくして、私は一息つきながらそうぼやいていた。
 単独行動はできても、情報収集は得意じゃないからね。私。
 いつもはスコールやオータムから事前に情報を貰ってから行動してたしなぁ...。

「...あの二人も桜さんについて行ったからなぁ...。」

 うーん...前情報の有無でここまで変わるとは...。

「(...そういえば、以前生徒に亡国企業の人間を忍ばせているって聞いたっけ?)」

 私の洗脳が解かれて、会社を立ち上げてしばらくした頃。
 スコールにそんな話を聞かされた覚えがある。

「(でも、名前を聞いてないんだよね。コードネームは覚えてるけど。)」

 確か...スコールと同じ苗字で、“レイン・ミューゼル”だっけ?
 うーん、それっぽい人にそれとなくこの名前を呟いたらいいかな。

「(何年生かもわからないけど、聞かされた時期から考えて...三年生かな?)」

 聞かされた時点で入学しているようだったから、合っているはず。
 亡国企業の人間なら、今の状況でも平静を保っているだろうし、そういった人を探そう。





「.....んー....。」

 夕食の時間。再び食堂に様々な生徒が集う。
 三年生が固まっているエリアで、私は適当に歩きながら件の生徒を探す。

「(ついでに怪しい生徒も見つけられたらいいんだけどね...。)」

 さすがに食堂でそんな怪しい動きはなかった。
 ...と言うか、件の生徒っぽい人すらいなかった。

「(後は...はぐれエリアかな?)」

 基本的にクラスや学年で固まっているけど、一部はそうでない人もいる。
 大体が隅の方だったり、グループとグループの間のテーブルとかにいる。
 そう言うのを纏めてはぐれエリアって呼んでるけど...まぁ、どうでもいい事か。

「(...って、この状況でイチャつくって凄いな...。
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