ペルソナ3
1765話
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セルと!」
ゆかりが俺と男……順平と呼ばれている男が話している事に気が付いたのか、慌ててこっちにやってくる。
それを見ながら、俺は内心の笑みを堪えるように口を開く。
「今日、これからゆかりと2人だけでちょっと出掛ける事になっててな」
『キャーッ!』
俺の言葉を聞いていた周囲の者達……特にゆかりの友人達からは、黄色い悲鳴が上がった。
「へぇ、あんたやるな。あのゆかりッチを口説き落とすなんて」
「どうなんだろうな。……で、結局お前は誰なんだ? あの時、神社であった奴だよな?」
「ん? ああ、俺ッチは伊織順平。よろしくな」
「馬鹿順平! ちょっと退きなさいよ!」
伊織が俺に自己紹介をするのと、ゆかりがその伊織を強引に掻き分けるように俺の前に姿を現すのは同時だった。
「アクセル、あんた何か面白がってない!?」
「……まぁ、それは否定しない」
「否定しなさいよ! 馬鹿なの!? っていうか、馬鹿なの!?」
「何で2回言うんだよ、ゆかりッチ」
「うるさい! ほら、いいからさっさと行くよ! こんな場所にいつまでもいたら、また無駄に噂が広がるじゃない!」
今更遅いと思うんだけどな。
そんな風に思うも、それを口にしてゆかりを怒らせるのも何なので、大人しくついていく。
背後では伊織を始めとして周辺にいた者達……特にゆかりの事を知っている者達の多くが騒いでいたが。
まぁ、分からないではない。ゆかりは顔立ちも整っており、絶世の……とまではいかないが、それでも学校の中では美人として有名になるような容姿をしている。
また、本人の性格もあっさりとしており、付き合いやすい。
……まぁ、その分気軽に自分の近く……いわゆるパーソナルスペースに人を寄せ付けるような真似はしないのだが。
俺との関係だって、あの現象についての問題があるからこそ、こうして親しく付き合っているんだろうし。
もし何でもない時に偶然出会っていれば、恐らく特に何か接触を持つような事もなかった筈だ。
ゆかりに引っ張られながら、ふとそんな風に思う。
そう考えると、この世界に来て早々にゆかりと知り合えた事は運が良かったのだろう。
「アクセル君、また今度ねー」
背後からゆかりの友人達がそう叫びつつ手を振ってくる。
何となく俺はそれに手を振り返し……
「ちょっと、アクセル!」
それがゆかりの機嫌を損ねてしまったのか、叫び声が上がった。
「別に、そこまで怒る必要はないだろ? 何も本当に俺とお前が付き合ってる訳でもなし」
「だからよ、だから! 別に付き合ってる訳じゃないのに、何でわざわざ誤解させるような事をするのよ!」
「……何となく?」
「あー、もう! アクセル、あんたいい加減にしなさいよね!
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