ペルソナ3
1765話
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校門の近くで待っていると、恋人同士と思われる2人がそう呟いているのが聞こえてくる。
……まぁ、校門の前で自分たちと同年代の男が月光館学園の制服も着ないで立っていれば、気になるのは当然か。
もっとも、人の注目を浴びるのは色々な意味で慣れている。
冬の寒空であっても、俺は特に気にならないのでそのまま暫く待ち……やがて、校門から見覚えのある人物が姿を現す。
ゆかりが、数人の女友達と一緒に出てきたのだ。
「ゆかり」
「え?」
ゆかりに声を掛けると、一瞬何故自分の名前が呼ばれたのかという表情を浮かべたゆかりだったが、声を掛けたのが俺だと知ると、瞬時に顔が驚愕に満ちていく。
「ちょっ、何でアクセルがこんな場所にいるのよ!」
その叫び声は、当然のように下校途中の生徒達全員の耳に届く。
そして声の持ち主に視線が集まり……それに気が付いたゆかりは、次第に顔を赤く染めていく。
「ちょっ、ちょっとゆかり。誰よこの人。恋人? 恋人なの?」
「それも私服だって事は、月光館学園の生徒じゃないって事よね? っていうか、見た感じ私達より年下じゃない? そうなると、もしかして中学生!? ゆかり、やるぅ!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ! アクセルとはそんなんじゃないんだってば!」
「何言ってるのよ、名字じゃなくて名前で呼ばれてるじゃない。恋人でもない相手にそんな真似、普通させる!?」
友人の言葉にゆかりが顔を赤くして抗議するが……うん、ちょっと迂闊だったな。
まさか、声を掛けただけでこんな風になるとは思わなかった。
「あれ? ちょっと、あんたもしかして」
ゆかりに声を掛けようとしたのだが、不意に別の方から声が掛かる。
声のした方に視線を向けると、そこにいたのは見覚えのない人物……ではない。
俺がこの世界に転移してきた時、最初に出会った相手だ。
帽子と髭が特徴的なその男は、俺達の方を……正確には友達に抗議しているゆかりの様子を見て、にんまりとした笑みを浮かべた。
「おいおい、もしかしてお前ってゆかりッチの……」
そう言い、右手の小指を立てているのを見れば、この男が何を言いたいのかは明らかだった。
まぁ、高校生くらいの年齢にしてみれば思春期真っ盛りと言ってもいい訳で。
男と女が一緒に帰っているのを見れば、気になって仕方がないのも当然だろう。
……この分だと、俺が昨日ゆかりの部屋に泊まったのを知れば何と言う事やら。
「ああ、安心しろ。別に俺とゆかりは付き合ってる訳じゃない。ただ……」
顔を真っ赤にしながら友人達に説明して……いや、寧ろ抗議しているように見えるゆかりの姿を見ると、どことなくからかいたくもなる。
「ただ?」
「ちょっ、順平! あんた何をアク
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