ペルソナ3
1765話
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たあそこに来て、俺を探せ。ただ、くれぐれも今日みたいな騒動はごめんだからな」
俺が携帯を持っていないと知っても特に表情を変える様子はなく、ただそれだけを告げると、俺に背を向けて立ち去る。
そんな後ろ姿を見ながら、俺は特に何も言うではなく、手の中にあるウーロン茶の蓋を開け、一口飲むのだった。
……あ、しまったな。俺は混沌精霊だから、冬でもこの程度の冷たさのウーロン茶でも問題ないけど、荒垣は普通の人間なんだから温かいウーロン茶をやればよかったな。
でも、ラーメンを食い終わったばかりなのを考えると、やっぱり冷たい方がよかったのか?
そんな風に考えながら、俺は午後からどうするべきかを考える。
情報を得るにも、図書館ではろくな情報がなかった。
人に聞くにも、誰に聞けばいいのか分からない。
となると……視線を近くの商店街にある時計に向けると、そこではもう午後2時近くになっていた。
そろそろゆかりも学校が終わる時間、か。
ゆかりが通ってる月光館学園は、あの現象の中では塔のような存在に姿を変えていた。
あの現象の中であそこまで露骨に姿を変えていたのはあの塔だけに、恐らく……いや、間違いなくあの現象について何らかの手掛かりがあそこにはある筈だ。
だとすれば、再度あの現象が起きる前に一旦月光館学園を自分の目で見ておいた方がいいか。
ゆかりが学校から出てくるのを待てば、わざわざ待ち合わせ場所に行く必要もないし。
そうと決まれば話は早い。
そのまま月光館学園に向かって移動する。
……影のゲートを使って転移してもいいんだが、この月光館学園はあの現象の中でも大きなキーポイントだ。
であれば、影のゲートで移動するのではなく、しっかりと周辺にある建物とかを確認していく方がいい。
そして何より、影のゲートだとあっという間に向こうに着くから、かなりの時間を待つ事になりかねないのだ。
そう判断し、俺は昼食後の腹ごなしがてらに月光館学園に向かうのだった。
「へぇ……ここが月光館学園か」
ここに来る途中で買った肉まんを食べながら、視線の先にある学校を見る。
腹ごなしがてらの散歩代わりとか思っていたような気がするが、そもそも俺の場合は胃の中に入った瞬間、食べ物は完全に分解されて魔力として身体に吸収されてしまう。
だからこそ、その気になればいつまででも食べ続ける事が出来た。
勿論、そんな真似は基本的にしないが。
精神的に満腹になるというのもあるし。
肉まんの最後の一口を口に入れると、校門から何人かの生徒が出てくる。
どうやら、ちょうどタイミングよく学校の終わりの時間に到着したらしい。
「ん? なぁ、あれって誰だ?」
「さぁ? 誰か待ってるみたいだけど……」
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