暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1764話
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俺とゆかりが関わった、あの妙な現象もある。
 それに日本は平和でも、世界そのものを見回せば必ず戦争をしているような地域はあるだろう。
 だが……それでもやはり、俺は目の前にいる男の視線が気になった。

「何だよ?」

 そんな俺の視線に、向こうも何か感じたのだろう。やがて訝しそうにそう尋ねてくる。

「いや、何でもない。……この件はお前の顔に免じてここで手打ちにしてやる。その代わり……そうだな、俺は昼飯がまだ何だが、奢って貰おうか」
「ふんっ、分かった。ラーメンくらいなら奢ってやる。ついてこい」

 そう言い、荒垣と周囲に呼ばれている男はその場を後にする。
 本来ならもう少し時間が掛かると思ったんだが……ここで一目置かれている奴と、こうも簡単に知り合えるとはな。
 W世界の時に知り合ったマフィアに比べれば、規模的には比べるまでもないが。
 それはこっちも織り込み済みだし。
 最後に周辺にいる奴等を一瞥すると、俺はそのまま荒垣の後を追う。

「巌戸台駅まで移動するが、構わねえな?」
「は? まぁ、別に構わないけど」
「そうか、じゃあ行くぞ」



 そう言い、駅で切符を買ってそのまま電車に乗る。
 日中という事もあり、朝の最も忙しい時間帯でもないので、電車の中はかなり空いていた。

「なぁ、お前。名前は何て言うんだ? 俺は荒垣真次郎ってんだけどよ」

 と、座席に座って巌戸台駅に到着するのを待っていると、不意に荒垣が声を掛けてくる。

「そう言えば自己紹介してなかったな。俺はアクセル。アクセル・アルマーだ」
「アルマー? それにその外見……外国人の割には、妙に日本語が上手いな。日本育ちか?」
「いや。日本じゃない場所で生まれ育ったよ。まぁ、これで色々と多才だからな」

 一応嘘は言っていない。
 日本じゃない場所で生まれ育ったのは事実だし、魔法が使えたり人型起動兵器の操縦が上手かったり、混沌精霊なんて存在になっていたりと、多才と言っても決して間違っている訳じゃない筈だ。
 ……勿論本当の事も言ってないんだが。

「多才、か。……降りるぞ」

 話している間に駅に到着し、やがて駅からそれ程離れていない商店街にある店に入る。

「親父、俺は坦々タン麺。こいつには……何にする?」

 そう言われ、メニューを見る。
 その中で一際目を引いたのは、トロ肉しょうゆラーメンだった。
 個人的には醤油より味噌派なんだが、それでも美味そうに見える。

「じゃあ、トロ肉しょうゆラーメンを大盛りで」
「おいおい、食い切れるんだろうな?」

 荒垣がどこか疑わしそうな視線を向けてくる。
 気のせいか、この店に入ってから荒垣の鬱屈した視線が幾らか和らいでいるように見えるが……それだけ
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