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ソードアート・オンライン 結城家の次男は両手剣使いで恋人は黒の剣士
流星を見ながらの予期せぬ再開
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、俺は夜空に浮かぶ満天の星空が好きで、いずれは本物の流れ星を見たいとも思っている。

(あんな感じなのかね・・・・・・流れ星が放つ輝きの速さは)


そんなことを思いながら、その後の戦いはもはやパターン化したコボルドの斧を三連続で避けて、リニアーを叩き込む、という作業だ。

最後に、明らかにオーバーキルなリニアーをコボルドに叩き込んで、コボルドはポリゴン片に変わった。
しかし、無傷でヒットポイントは最大でも、SAOの戦いは精神を削る。

フェンサーはよろめきながら、そのまま迷宮区の壁に背中を預け、ずるずると座り込み、荒い呼吸を繰り返している。

一方、隣のキリトは声を掛けるか悩んでいた。

(あのフェンサーの剣技は凄まじいな。恐らく、ゲームクリアに欠かせない存在になるはず)

そんな考えが出てきたため、俺はキリトの変わりにフェンサーに少しだけ近付き、声を掛けることにした。

「おいお前!さっきのはオーバーキル過ぎるぞ!」

俺がそう言うと、壁に背中を預けているフェンサーの細い肩が小さく動き、フードがほんの少し持ち上がり、顔立ちは分からないが、その奥から俺や姉貴と同じ榛色の瞳が鋭く俺を射る。

(・・・・俺や姉貴と同じ色の瞳・・・・・・・へぇ、久々に珍しいものが見れたな)

そんなことを思いながらも、今のレイピア使いの瞳はまるで先程のソードスキルのリニアーを彷彿させるが、数秒間俺はその鋭い瞳を風で流すように流す。

射殺すような瞳が無くなれば、フェンサーは極僅か頭を右に傾けた。

(この仕草・・・・大方意味が分からないって反応だな)

心の中で思いながら、フェンサーではなく後ろにいるキリトに顔を向ければ、キリトも分かったらしく苦笑するがすぐにオーバーキルの意味を教えに俺の隣まで歩いてきた。


(こいつ・・・・・・・ソードスキル発動と敵との対処の仕方しか分からない、完全なトウシロウだな)

俺が心の中で溜め息を付くと、キリトが俺の変わりにオーバーキルについて分かりやすく説明を始めた。


「オーバーキルっていうのは、モンスターの残りHPに対して、与えるダメージが過剰って意味。さっきのルインコボルド・トルーパーは2発目のリニアーでもう瀕死だったの、HPゲージは2〜3ドットぐらいだったから、とどめはソードスキルじゃなくても、軽い通常攻撃で充分だったわけ」

俺は下を巻きそうになる。相変わらずキリトの説明は分かりやすいのじゃない、こんな長い台詞をよく噛まず息継ぎなしで言えるもんだ。俺だったら途中で噛んで失敗しそうだし、息継ぎしなきゃ全部言えないぐらいだ。


キリトが全部言い切ると、レイピア使いは無反応だったが、10秒以上経つと、目深に下ろされたフードの奥から小さな声が溢れた。

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