SAO:tr4―裏ボスの存在―
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るとなんか気恥ずかしさとかドキドキを感じることがあるけど、それを上回って安心して心地よい。
……だからこそ、この温もりを奪われることに私は恐れている。安心という温もりが冷めてしまった感覚は正直言って嫌いだ。
だから……ドウセツが簡単に死んでしまうような状況にならない様に、頑張ろう。
もう、あの時の様に…………怯えたりしない。
「……ありがとう」
私はドウセツにお礼を言って眠ることにした。
●
。
起き始めると、ドウセツはすでにキッチンで料理をしていた。
朝飯はスクランブルエッグとトースト。アスナより熟年度はないとは言っていたけど、ふわふわとしていて甘さもあったスクランブルエッグは美味しく、最高の朝食の幸福を味わった。もちろんお世辞でも何でもない。素直な感想を言ったら、うざいと言われた。酷い。
朝食を終えて、さっそく七十四層攻略しに行こうと思った矢先だった。
「…………」
「ドウセツ?」
ドウセツは窓の向こう側を睨むように見つめていた。
気になったので私も窓の向こう側に視線を向ける。そこから見えるのは、純白のマントに赤の紋章、まさしく血盟騎士団のユニフォーム。私はその人を知っている。
名前は確かストロングス。武士道を感じさせられる細身の青年であるが、キレた時の表情が顔が爆発しそうなくらいで一周して変顔になっているあの表情を忘れるわけがなかった。
「なんであの人、ここにいるの?」
「知りたくもないわね」
窓越しからストロングスを見たドウセツは、落ち着いた態度で外に飛び出した。それに私は続いて外に出る。
外に出ると、ストロングスはこちらに気づき、昨日とは打って変わって、涼しげな表情で口を開いて話かけてきた。
「ドウセツ」
「張り込みとかキモいわよ、変態駄犬」
「貴様!!」
と思いきや、早速ドウセツから罵られたストロングスは冷静という感情を投げ捨てるかの様に、血管が破裂しそうなくらい、表情に力み出して発した。
「俺はやはり貴様を許すわけにはいかない! 血盟騎士団の期待を捨てた裏切り者! その代償、今すぐここで払え!」
「昨日言った事を理解できないとはね……そんなんだから貴方は駄犬で成長が止まっているのよ」
「なんだど!」
「このストーカー、変態、性格、外見、武器、全てが中途半端。血盟騎士団に酔っていて自分の存在が汚していることに気づきもしない愚か者。今すぐ消えて、貴方に語る言葉なんか一つもないわ」
うわぁ……容赦ないねぇ……。毒舌っていう言葉があるけど、ドウセツは言葉という毒をおもいっきりぶっ刺すような罵詈雑言だった。
「……って」
突然、ドウセツは右指を私に向けた。
「キリカが言っていたわ」
…………。
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