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SAO:tr4―裏ボスの存在―
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在については答えていないわね。
 あ、でもそれはそれで特に考えたことないんだよなぁ……。裏ボスが禍々しい悪魔的なモンスターだとかドラゴンの姿をしていようが関係ないと思うんだよね。

「考えていない」
「そうでしょうね」

 ドウセツがやっぱりかと、どこか呆れていながらも納得している様子だった。

「悪かったね考えていなくて、そういうドウセツは裏ボスがどういう存在かおおよそ見当ついている様だけど、どんな存在なのかしら」
「茅場晶彦」
「……ん?」

 ドウセツはまるで他愛のない日常会話をする様な感じで、さらっと重要な発言をした。

「聞こえなかったかしら? そんな難聴でバカな貴女にもう一度わかりやすく言ってあげなくてもいいけど?」
「いや、一回で良いし普通に聞こえてきたから。というか、なんでそこで茅場晶彦が出てくるの!? それだと裏ボスが茅場晶彦だって言っている様なものじゃない」
「言っているわよ。と言っても、確証なんてないけどね」

 ドウセツは一息ついてから裏ボスが茅場晶彦の可能性があることを話し始めた。

「茅場晶彦が私達を含めた一万人ほどのプレイヤーをSAOに閉じ込めた理由も覚えているかしら」
「SAOの世界を創り、私達を閉じ込め、SAOの世界で生きる私達の日々を鑑賞させること」
「以外と記憶力あるのね」
「むしろ私を記憶力ないバカだと思っていたのが不服なんですけど!? つか、忘れたいのなら忘れたいわよ……」
「その気持ちは同意するわね」

 自分の願望で巻き込まれた身としてのあの絶望感は忘れることもできない。未だに現実世界へ帰れないことと本当に死んでしまうと悟ってしまった絶望感は残っている。

「あの発言から見て、茅場晶彦の本質はおそらく無類のゲーム好き。そして漫画やゲームの主人公になってみたい想いがある様に、茅場晶彦は漫画やゲームに出てくるラスボスもしくは同等以上の裏ボスになってみたい想いがあって、それを実行した」
「んー……そうかな?」
「本当はどうかなんて知らないけど……少なくとも私はそう見ている。茅場晶彦はSAOを創って、その世界を鑑賞したいと、自分の創った世界で鑑賞したいってことは世界を救う勇者ではなく、主人公に立ちはだかる悪的な存在になりたい気持ちの方が強い気がするわ。無駄にかっこよく、そして恐ろしい形をしたボスよりも、ラスボスまたは裏ボスが茅場晶彦だったら主人公サイドである私達はこれまで抱えていた茅場に対する怒りや恨みなどぶつけるに決まっているわ。GMとしたらそっちの方が面白いことになるんじゃないかしら」

 ……確かに、私達をSAOに閉じ込めた黒幕である茅場がSAOのラスボスもしくは裏ボスだった方がゲームの演出としてはめっちゃ強そうなボスモンスターよりかは盛り上がるだろう
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