SAO:tr4―裏ボスの存在―
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えっ、ちょっと!」
唯一の観客であったドウセツはひと足早くここから立ち去ろうとしていたので、慌ててついて行った。
「見事ね。貴女の回避は相変わらず異常に強い。一体どうしたらあんな風に避けられるのかしら?」
「いじわるな人には教えませんよーだ」
きっかけはあるにはある。
私自身が生き抜く為には、筋力を鍛えることも敏捷力を鍛えることでも、情報量を多くすることでもない。
どんな攻撃も無力化する回避力。私の唯一無二の得意な戦法を身に着けることができた。総合力は兄や血盟騎士団の最強二人には劣るかもしれないけど、回避だけに関しては自分でも一番だと思っている。
でも、それはけして望んで鍛えた物ではない。絶望から始まり、唯一無二の武器、回避力を大幅に強化できたのはただ運が良すぎたんだ。普通だったら、一歩間違えた時点で終わっていたと思うし……ライフがゼロになったら現実世界でも死ぬようになってからだと尚更だよね。
「なら、“あれ”をやりましょうか」
「えっ!? あ、“あれ”……できればやりたくないんですけど……」
「それだと貴女と組んだ意味がないわよ」
「そんなこと」
「あるわ」
ドウセツはその話は決定事項としたことにしてどんどんと歩く速度を上げ始めた。
“あれ”…………私の回避を上手く利用した、私とそれを容赦なく実行するドウセツだからできる連携技。ぶっちゃけ回避は得意だとしても、何度もやるようなものじゃないと思うんだよね。でもドウセツはクールだけどやる気満々な気がする。
「まじか……」
天気は薄曇り、暦は今、秋の深まる『トリネコの月』
10月下旬の、爽やかな風があたりながらドウセツの“あれ”に複雑な想いを抱え、これからの大変さを予知するかのように私はため息をついた。
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