SAO:tr4―裏ボスの存在―
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五十ニ層『フリーダムズ』
電気街のようなアルゲードやお嬢様の花園のセルムブルグと比べると、『フリーダムズ』はどこまでも続く果てしない大草原である。
アインクラッドでも比較的に人が少ないフロアで面積もそれなりに広く、主街区も小さな村の規模。
風を感じる時と晴天の時はものすごく気持ち良いけど、はっきり言えば地味な場所だった印象がある。
他に印象があるとすれば、フィールドにモンスターは出現しないがその分、迷宮区に出てくるモンスターがとにかく多かったぐらいだ。フロアボスもあっさりと倒せたので、五十層のボスと比べるとどうしても霞んでしまいがち。
私個人としての印象はそんなところだ。
「ドウセツって物好きよね……景色としての草原は嫌いじゃないけど、何もないじゃない」
「何もないところがいいのよ。貴女みたいな動いているだけのバカにはわからなくて当然よ」
「動いているバカってどういうことだよ」
「そのまんまの意味」
「……それ、バカじゃん」
「そう、バカよ」
「バカバカ言うな」
転移門から真っ直ぐ歩いていくと、小型で飾りつけのないシンプルな一階建てのホワイトハウスが見えてきた。
建物が少ないから、遠くからでもすぐに見つけられるのは良いところなのかな? 本当になにもないから見つけやすい。
「ドウセツの家に到着」
「早く入りなさい」
「あ、うん」
ドウセツの家におじゃまする。
アスナの家ほど女子力が高い部屋ではなかったが、それでも私よりかは充実していた。広いリビング兼ダイニング、必要以上置いてないが、白と黒を統一した飾りつけのないシンプルな部屋が、高級感かつ清潔感が良さそうな雰囲気を漂わせている。必要以上の物はおかず、最低限の家具でオシャレをするのはドウセツらしいと思える部屋だった。
「お茶は飲んで来たからいらないよね?」
「あ、うん。いらない」
私は流れる様にモノクロなソファーに座り込んだ。
「とりあえず、そうね……くたばってなくて何よりだわ」
「それは心配して言っているの?」
「違うわ、褒め言葉。ありがたいと思いなさい」
どうせなら言うのだった、もっと褒め言葉らしい褒め言葉がほしかったです。そんな淡々と言われても、嬉しいとは思えませんってば。
「貴女の場合、死なれては困るのよ」
こ、これは……美しい容姿をお持ちながらも恐怖の象徴ともいえる鬼からの最高のデレ、だと!?
「戦力が下がるのはいろいろと勿体ないから、せめて百層までは生き残りなさい」
淡々と言い、デレの微塵も感じさせられないドウセツに、逆の意味で惚れそうです。
常に一緒っていうわけではないんだけど、時々ドウセツと行動していて、一番ドウセツと関わっている私からすればそろそろデレ
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