ペルソナ3
1763話
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」
「まぁ、これが午後7時とか8時ならそうだけど、12時近かったからな。……よく出る事が出来たな」
改めて考えるまでもなく、ここは女子寮だ。
ましてや、大学生の寮ではなく、高校生の寮。
であれば、当然のように門限とかは決まっていてもおかしくはない。
だというのに、ゆかりは日付が変わる頃にも関わらず、女子寮から出ていた。
「ちょっとした裏技があるのよ」
「だろうな」
学生寮には、何らかの抜け道がある事が多いというのは、よくある話だ。
恐らくゆかりも何かそういうのを使ったのだろう。
「ま、そのせいであんな現象に巻き込まれたのを考えれば、運が良かったのか、悪かったのか……」
「微妙なところだろうな」
あの現象に巻き込まれなければ、スライムもどきに襲われる事もなかった。
昨日、ゆかりが寝付けないで何度もベッドで寝返りをしていたのを、俺は知っている。
……まぁ、眠れなかった原因は、同じ部屋にその日にあったばかりの男がいたから、という事もあるのかもしれないが。
何だかんだと、男慣れしていないゆかりの性格を考えれば当然なのだろう。
「とにかく、俺はそろそろ行く」
「あ、ちょっと待って。もし何かあった時、どうやって連絡を取ればいいの? アクセル、携帯とか持ってる?」
「携帯、か。昨日この世界に来た俺が携帯を持ってると思うか?」
正確にはPDAや通信機の類は持っている。
だが、それはあくまでも他の世界で使えたり、ゲートを中継点として使う為の物だ。
それを、この世界で使える筈もない。
……だからといって、この世界で普通に携帯を買うにも、当然のように身分証が必要だ。
裏社会の人間に依頼すればどうとでもなるかもしれないが、それを行うには、まずそういう奴と繋がりを作る必要がある。
身分証の類がないというのは、やっぱり厄介だな。
強い権力を持っている奴を味方に引き入れる事が出来れば、こちらとしても色々と楽になる。
いっそ政治家辺りに接触するという手段もあるが……いや、駄目だな。
迂闊にこの世界の政治家に接触した場合、それがこっちの足枷になる可能性は高い。
それに妙な野心を抱いている政治家に接触した場合、ホワイトスターと連絡が取れた時に色々と面倒になる可能性は十分にある。
そういう政治家とか、ましてや政治屋と呼ばれている相手なら、俺が金になるとか自分にとって有用な能力を持っていると知れば、手っ取り早く協力してくれるんだろうが。
ギブアンドテイクで、1回だけであれば……まぁ、何とかなりそうではあるな。
まぁ、どうしても手がない時くらいでしか使おうとは思わないが。
「そうよね、アクセルが携帯を持ってる訳ないか。……なら、私と連絡を取る時、どうするの?」
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