第30話
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遣ってそのような内容を望んだのですか……」
シェラザードの答えを聞いたラウラは複雑そうな表情をし、エマは重々しい様子を纏って呟いた。
「ハハ……リィン君に改めて謝罪や感謝の言葉を述べる理由がまた一つ増えたね……――アルフィン。アルフィンはリィン君が君が望む男性と結ばれる事を望んだにも関わらず、リィン君に嫁ぐつもりなんだね?」
「はい。先程も申しましたようにシュバルツァー家やリィンさんにわたくし達アルノール皇家の償いをする為……そして恩を返す為にわたくしは一生リィンさんの妻の一人としてリィンさんに尽くします。既にリィンさんにもわたくしの意志は伝えておりますわ。」
「そうか………アルフィン自身が決めた事ならば、私はこれ以上その件について口出しするつもりはないよ。今回の戦争の結果や戦後のエレボニアの状況を考えたらメンフィルに報復するといった愚かな事は誰も考えないと思うが……家族同士が敵対し合うような悲しい事を起こさせない為にも、私の命に代えてでも再びメンフィルとの関係が悪化する事を絶対に阻止してみせるよ。」
「オリヴァルト殿下……」
「……………」
アルフィン皇女の決意を知って改めて決意したオリヴァルト皇子の決意を知ったアネラスは心配そうな表情でオリヴァルト皇子を見つめ、シェラザードは静かな表情で黙り込み、アリサ達はそれぞれ辛そうな表情で黙り込んでいた。
「………アルフィン殿下の件はともかく、リィン特務准将の出自の話を聞いて彼がZ組のリーダー候補として挙がっていた理由がわかったでしょう?」
「……ああ。リィン特務准将は生粋の平民の血が流れている貴族であるからこそ、平民としての気持ち、そして貴族としての気持ちの両方が理解できるからZ組のリーダー候補として挙がっていたのか。」
「そしてわたし達が特務部隊の指揮下に入る事になれば、結果的にリィン特務准将がわたし達Z組のリーダーになるから、皮肉な運命だね。」
「フィー、それは………」
話を戻したサラの問いかけを聞いたユーシスは重々しい様子を纏って呟き、静かな表情で呟いたフィーの言葉を聞いたラウラは複雑そうな表情をした。
「皮肉な運命といえば、特務部隊の指揮下に入ったら”副将”の”ディアメル伯爵家”の令嬢もボク達の上官になるから、”ディアメル伯爵家”と因縁があるマキアスにとっても皮肉な運命だよね〜。」
するとその時ミリアムが驚愕の事実を口にした―――
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