第30話
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ああ。実際エレボニアの貴族達はその件を知って相当騒ぎ、シュバルツァー卿は社交界のゴシップの的になったそうだ。常識外れの酔狂や”隠し子”の噂、中にはシュバルツァー卿に『高貴な血を一切引かぬ雑種を貴族に迎えるつもりか!』なんて難癖をつけた貴族もいたそうだ。」
「ひ、酷い……!」
「その貴族達も姉さんを追い詰めた貴族達と同じだな………」
「エレボニアの貴族は血統主義に相当五月蠅い話は聞いてはいたけど、まさかそこまでするとはね……」
「で、でも……エレボニアの貴族達はリィン君のお父さんに対してどうしてそこまで責めたんでしょう?リィン君達――――”シュバルツァー家”はエレボニアではなくメンフィルの貴族ですから、下手したら外交問題に発展しますよ?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたアリサは悲痛そうな表情をし、マキアスは複雑そうな表情で呟き、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、ある事が気になっていたアネラスは疑問を口にした。
「シュバルツァー卿がリィン君を拾ったのは”百日戦役”が始まる少し前だったそうだから、その時のシュバルツァー卿はまだエレボニアの貴族だったんだ。話を続けるが……シュバルツァー卿はリィン君を養子として受け入れた自分達に対するエレボニアの貴族達のそういった雑音が疎ましくなり、結果ユミルから出ず、社交界にも顔を出さなくなった……―――つまりシュバルツァー卿は事実上社交界から追放されたんだ。」
「そ、そんな……!お父様は―――”アルノール皇家”はどうしてテオおじ様達を庇わなかったのですか!?シュバルツァー家はアルノール皇家とも縁がある貴族ですのに………」
アネラスの疑問に対して答えたオリヴァルト皇子の説明を聞いたアルフィン皇女は悲痛そうな表情でオリヴァルト皇子に訊ねた。
「庇おうと思ってもできなかったんだろうね。エレボニアは”四大名門”を始めとした貴族達が持つ力が強いからね。幾ら縁があるとはいえ、貴族の中でも最下位の男爵―――それも出自不明の子供を養子にしたシュバルツァー家を庇えば、アルノール皇家は”四大名門”を始めとした多くのエレボニアの貴族達の反感を買い、最悪アルノール皇家に反旗を翻す事も考えられただろうしね。」
「そ、それは………」
「まあ、実際ユーゲント皇帝が”平民”のギリアスのオジサンを重用した事で貴族達は反旗を翻しちゃったもんね〜。」
「口を謹んで下さい、ミリアムちゃん!」
「このガキは……」
オリヴァルト皇子の推測を聞いたアルフィン皇女が辛そうな表情で顔を俯かせている中ミリアムはその場の空気を壊す発言をしてその場にいる全員に冷や汗をかいて表情を引き攣らさせ、クレア大尉とユーシスはそれぞれミリアムを睨んだ。
「それにしてもそんな事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ