第29話
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国の領土や民達をリベールに差し出すという形で支払わなければならないという事も常識で考えれば仕方のない事かと。」
「そ、それは…………」
「シャロン……で、でも4つ目の条件―――ハーメルの惨劇公表後”空の女神”はリベール王家や王国政府を庇う宣言を出して、エレボニア皇家や帝国政府を庇う宣言をしない事を受け入れろだなんて、間違っていないかしら………?”空の女神”が要求した償いの条件は”空の女神”の怒りを鎮める為の条件なのに……」
セリーヌとシャロンの説明を聞いたマキアスは辛そうな表情で答えを濁し、アリサは悲しそうな表情をした後反論した。
「アリサさんが仰った指摘はアリシア女王陛下やクローディア王太女殿下も女神様に仰り、エレボニアの混乱を鎮める為にも女神様がエレボニアにもご協力して頂きたいと嘆願したのですが……その時女神様はエレボニアの混乱を女神様に頼らず自分達の力で乗り越える事や”ハーメルの惨劇”の真相を碌に調べる事もせずリベールに戦争を仕掛け、更には”ハーメルの惨劇”を隠蔽したエレボニア皇家や帝国政府に対する”空の女神の天罰”だと仰い、女王陛下達の嘆願を断りましたわ………」
「”空の女神の天罰”……か。」
「ハハ……まさに言葉通り私達エレボニア皇家や帝国政府にとっては”天罰”だね。”空の女神”が”ハーメル”の件でエレボニアに対して怒りを抱いている事を知ったエレボニアの民達の私達に対する怒りや不満を鎮める為には、”空の女神”自身の協力は必要なのに、それすらも許して貰えないんだからね……」
「殿下………」
アルフィン皇女の説明を聞いたガイウスは複雑そうな表情で呟き、疲れた表情で肩を落としたオリヴァルト皇子の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見つめていた。
「………皇女殿下。何故”空の女神”はハーメルの件に対する”償い”として最後の条件―――”今後エレボニアは暗躍で領土を得る事は永遠に禁止する”事を口されたのかの理由は伺っていないでしょうか?」
「いえ、理由については伺っておりません。………クレア大尉―――いえ、今までエレボニアを豊かにする為に様々な事をして来た”革新派”の方々には申し訳ありませんがわたくし個人としては暗躍をして他国の領土を手に入れるという卑劣なやり方は許せません。ですからわたくしは女神様が要求した最後の条件は女神様が口にされなくても守るべきだと思っております。」
「……そうだね。その事に関しては私も同じ意見だ。エレボニアが再び、”ハーメル”の件のような同じ欺瞞を犯す事は私も絶対に許さない。」
「………………」
自分の質問に対して決意の表情で答えたアルフィン皇女とアルフィン皇女の意見に同意したオリヴァルト皇子の答えを聞いたクレア大尉は辛そうな表情で黙り込んだ。
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