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英雄伝説〜灰の軌跡〜
第28話
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それぞれ小声で会話をしている中セリーヌは目を細めてシェラザードを見つめていた。

「もう、お兄様ったら。可愛い妹をほおっておいて、旧知の仲間の方達との再会を優先するなんて薄情ですわね。」

一方アルフィン皇女は頬を膨らませた後ジト目でオリヴァルト皇子に指摘し

「ハハ、すまないね。―――お帰り、アルフィン。…………事情はレン君から全て聞いた。私達の代わりに君に辛い役目を押し付けてしまって、本当にすまなかった………」

アルフィン皇女の言葉に対して苦笑したオリヴァルト皇子は優し気な微笑みを浮かべた後辛そうな表情でアルフィン皇女に謝罪をした。



「いえ………わたくしはアルノール皇家―――いえ、帝位継承者の一人として当然の事を行ったまでですし、今回のメンフィル帝国との戦争はわたくしも戦争勃発の原因の一端を背負っていますから、その責任を果たしただけですわ………」

「皇女殿下………」

「申し訳ございませんでした、皇女殿下……!護衛の任に就いていながら、肝心な時に護衛から離れていた挙句、俺が殿下の判断を惑わせるような発言や提案をしたせいで皇女殿下―――いえ、エレボニア帝国が辛い立場に立たされる事になってしまいました……!」

寂し気な笑みを浮かべて答えたアルフィン皇女の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見つめ、トヴァルはアルフィン皇女を見つめて頭を深く下げて謝罪した。

「その件についての責任はトヴァルさんだけでなく、わたくしにもありますから、トヴァルさんがわたくしに謝罪する必要はありませんわ。それよりも謝罪するのわたくしの方です。幾らかつてエレボニア皇家と縁があったとはいえ、既に他国の貴族になったシュバルツァー家に頼る事をわたくしが提案しなければ、トヴァルさんも遊撃士協会本部より処罰を言い渡される事も無かったのですから………本当に申し訳ございませんでした………」

「皇女殿下がそこの遊撃士失格のバカに謝罪する必要はありませんよ。ユミルの件に関する責任の大半は貴族連合軍で、残りの責任は”国家権力の不干渉”を規約の一つとしている遊撃士の癖に国家権力に干渉したそこのバカですから、そこのバカの場合は自業自得です。」

「その意見には同感ね。今回トヴァルが行った行動は遊撃士どころか、中立勢力に所属している関係者として失格な行動だったのだから。」

「ぐっ………」

「サ、サラ先輩にシェラ先輩〜。トヴァル先輩もその事に関して深く反省していると思いますし、処罰まで受ける事になっているのですから、これ以上その件を蒸し返すのは幾ら何でも可哀想だと思いますよ?」

トヴァルに謝罪するアルフィン皇女に指摘したサラとシェラザードの言葉を聞いたトヴァルは唸り声を上げて肩を落とし、アネラスは苦笑しながらトヴァルを責めた二人
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