聖者の右腕V
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なりますよ!」
「それでもやるしかないだろ!」
「・・・眷獣を覚醒させる方法なら、あります」
「・・・それってもしかして・・・」
「私の血を、吸うことです」
「やっぱそれしか無いのかよ・・・」
「ちょっと・・・あっち向いててください」
「姫柊??何をーーー」
「吸血衝動のトリガーは性欲、なんですよね?なら、私が先輩を興奮状態にしますから」
「いやいやいや!そんな体を売るみたいなことしなくていいから!」
「じゃあ、ほかにアテでもあるんですか?」
「いや、無い・・・けど」
「じゃあやっぱり私がやるしか無いですよね?」
「でも・・・あーっ!チクショウ!」
「先輩?」
「姫柊、後悔すんなよ??」
「・・・はい」
雪菜は頬を赤らめ、古城の方に倒れこんだ。古城はそれを優しく受け止め、見下ろす形となった雪菜の首筋に顔を近づけ、糸切り歯が変じた牙を突き立てた。
「っ・・・ああっ」
吸血鬼に血を吸われている間、吸われている生物はとてつもない快感に襲われると以前、獅子王機関で聞いたことがあった。自分の口から漏れた甘い声が自分のものだと認識するのにも時間がかかるぐらいに頭の中が快感に満たされいた。しばらく雪菜がそうしていた折、古城が雪菜から口を離した。
「ありがとう、姫柊。一体だけだけど、掌握できたみたいだ」
「先輩、もっと・・・はっ??」
「なんか呟いてたけど大丈夫か、姫柊?」
「だ、大丈夫です。(いま、私何を言って・・・?)」
雪菜が自分が口走ったことに疑問を抱いていると、また大きく地面が揺れた。雪菜は式神を拾って立ち上がった古城と頷き合った後、呪力を込めて式神を空中に放り投げてそれがアインの元まで案内してくれるのを確認すると式神を追って2人で走り始めた。
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