聖者の右腕V
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なって振り返ってもこの長い人生の中でもトップクラスの衝撃を顔面に、しかも横殴りに受けた。アインはこの話を聞いて「まあ、あの槍の側面で殴られたらそら痛いわな」と語っている。
10分後、なんとも言えない気恥ずかしさに見舞われる二人。
「せ、先輩・・・すみませんでした。その・・・急に殴ったりして」
「あ、ああ、俺は全然気にしてないし寧ろ目覚まし代わりになったというか・・・」
「そうですか・・・私の純情は目覚ましですか・・・」
少し残念そうに顔を膝の間に埋める雪菜。
「柊?どうしたんだ?」
「もういいです。先輩がそんな吸血鬼だってのは知ってますから」
勝手に話を進められた挙句自己解決されて何が何だかという顔をする古城。その時、雪菜の後ろから声がした。
『お前らさぁ・・・今って一応緊急事態なんだぜ?』
「誰ですか??」
雪菜が条件反射的な速度で槍を構えて後ろに向き直る。が、誰もいない。声は確かに自分の後ろからした筈なのに誰もいないというのはおかしい。
『俺だ、アインザックだ。式神を通して周りの状況を見聞きしてるだけだ。つかお前が自分でポケットに突っ込んだんだろうが』
アインの言う通り雪菜の制服のポケットから人型の式神がスッと出てきて2人の間に浮かんだ。
「なんでそんな機能あるんですか??」
『いや・・・なんでって言われても標準でついてるし。おかげでピンク色の空間に巻き込まれたけど』
「なっ・・・!見てたんですか??」
『見てたじゃなくて見えてたが正しい。あ、でも俺の記憶領域から記録結晶にコピーして永久保存版にするから』
「やめろ!」
『よし、この話終わり。で、ここからが本題』
「お前絶対後で覚えとけよ」
「本題というのは宣教師のことですね?」
『ああ。宣教師はキーストーンの最下層にあるものを狙ってる。それが何かは分からないがあの宣教師はそれがどうしても欲しいらしい』
「キーストーンなんてただの石の塊じゃ・・・」
ないのか、と古城が言おうとしたところで轟音を立てて地面が震えた。
「なんだっ??」
『あいつらがキーストーンゲートに攻撃を始めたんだろうさ。こっちからはしっかり煙が上がっているのが見えるぜ』
「なら急いで行きましょう!早くしないと最悪死者が出るかもしれません!」
『それに関しちゃ全面同意。俺は先に行っとく。その式神、うまく使えよ』
アインはその言葉を最後に式神とアインの繋がりを切った。式神はアインとの繋がりが切れたことで魔力が宿ったただの紙になり、地面にはらりはらりと落ちていった。
「姫柊、急ぐぞ!」
「ちょっと・・・待ってください」
「どうしたんだ?」
「先輩、まだ眷獣は一体も掌握できていないんですよね?」
「そうだけど・・・」
「それじゃさっきの二の舞に
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