ペルソナ3
1762話
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男に頼るのは嫌……か。
まぁ、ゆかりの過去に何かあったというのは、何となく理解出来ていた。
男慣れしていないところなんかも、その辺に事情がある可能性は十分にあるだろうし。
「ゆかりの気持ちは分かった。……けど、俺をこの部屋に泊めるってのは、色々な意味で無理がないか?」
「無理? 何が?」
「あのな、ここは女子寮だろ? なら、俺はトイレとか風呂とかどうすればいいんだよ」
「……スケベ」
俺が言ったのは正論だった筈なのだが、何故かゆかりから返ってきたのは、顔を真っ赤にしたその言葉だった。
「けど、事実だろ?」
「それはそうだけど……あ、そうだ。アクセルならさっきみたいに影を使って自由に出入り出来るんでしょ? なら、トイレはコンビニかどこかで済ませる事も出来るし、風呂だって銭湯か何かで……」
「それなら何とか出来そうだが、そうなると寧ろ俺がこの部屋に泊まる必要そのものがないんじゃないのか?」
それこそ、どこかのアパートなり、ウィークリーマンションの類なり……もしくは金に余裕があるのだから、ホテルに泊まった方がいい。
この世界にも、当然のようにヤクザだったり、テロリストだったりといった者達はいるんだろうから、俺が金に困るという事はない。
いつまでもホテル暮らしをするのも、難しい話ではないのだ。
そんな派手な真似をしていれば、目立ってしまう可能性は否定しきれないのだが。
「むぅ……いいから、アクセルはここに泊まってよ。それで、あの現象を解決するのに私も協力させて!」
「そう言ってもな。さっきも言ったが、あのスライムもどき程度に逃げてるんだろ? それで、どうしろって言うんだよ」
「それは……あの時は武器がなかったから。もし武器があれば、何とか対処するくらいは出来たわよ、きっと」
「武器、ね」
身のこなしから、多少何か身体を動かす訓練を日常的にしているというのは分かっていた。
それでも……いや、それだからこそと言うべきか、生兵法といった感じになりかねない。
「武器は?」
それでも一応聞いたのは、そうでもしなければゆかりが納得しないと、そう思った為だ。
そんな俺の様子に幾らかは満足したのか、ゆかりは笑みを浮かべて口を開く。
「弓よ。これでも、弓道部では結構腕がいいんだから」
「……なるほど、弓か」
その言葉に、少しだけ安堵する。
何故なら、少なくても弓であれば背後から矢を射るだけであり、近接戦闘をしなくてもいいからだ。
勿論、実際には弓を使っていても敵に接近される事もあるし、矢を射るにしても前衛で戦っている相手の動きを読んでといった行為が必要になる。
だが、幸い……この場合も幸いと言うべきか?
ともあれ、俺の場合はどのみち物理攻撃の効果がない
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