43話 ア・バオア・クーの戦いB 3.13
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ハラジャはジュドーの素直な意見に弁解の余地が無かった。ハマーンはジュドーを見てクスクス笑っていた。ジュドーがハマーンを何が可笑しいという表情で見た。ハマーンは弁解した。
「いや・・・悪い。私はそんな純粋さが無くなってしまっていたなあとね・・・」
「ハマーンはそうは思わないのか?」
「思いたいのだが、ある部分で大人になってしまったということかな?だからガルマ様の意見も賛同したい気持ちもあるが、そうでない部分もある」
ハマーンはジュドーの傍に居たプルツーを見て話し掛けた。
「君もまだ純粋だと感じる。その心は大事にした方がいい。私みたいに捻くれては多分生き方が窮屈だろうよ」
プルツーは黙って頷く。ジュドーはハマーンに真意を尋ねた。
「そうでない部分とはなんなんだ?」
「周囲を見るといい。クルーで困惑しているものがいるだろう?」
ジュドーは周りを見渡した。確かに面持ちが暗い。
「その者らの為に、私は再びアステロイドベルトに行こうと思う。フロンティア開発だ。あそこにいたことを思い出す。望郷の念があったが、それはそれで幸せだった。世俗から離れた生き方もまた一つだろう」
ハマーンの意見に父マハラジャは同意した。
「ふう、そうだな。希望者で良いのだ。地球に残るもの、我々と共に生きるもの。敢えて考えられないから、だが即座に答えを求める事態ならばそのような選択肢を作っておくのは良いと思う」
プルツーは素直な気持ちを口にしていた。
「みんな・・・優しいな」
ジュドーもそう思った。
「ああ、自分を大事にする前に人を考えている。周囲の困惑ぶりも野心の無い者ばかりだからな。でも自己はいいのか?」
ハマーンはジュドーの意見に再び笑う。
「ハハ・・・、実はこれは私の願いでもあるのだよ。こう見えて私も楽な方に行きたい性でな」
マハラジャは娘の意見に初めて笑った。
「ハッハッハ、そうだな。人は怠惰な生き物だということを思い出したわ。地球を久しぶりに見たことだし、またあの暗い穴倉で細々と生きるのも悪くないな」
ハマーンも頷いていた。マハラジャが想い耽って話した。
「・・・その頃を思えば、こんな忙しい環境よりかは天気のような自然の驚異だけに気を配ればいいだけだからな。また里帰りしたければ皆が一人一人戻ってくれば良いことだ」
するとオペレーターが淡々と2機のモビルスーツの発進を伝えた。
「リゲルグ、イリアとギラドーガ、ガルマ様発進します」
全員が2機の動向を見つめていた。
ガルマは久しぶりの宇宙空間で周囲に気を撒いていた。
「この感覚は久々だ。地面が無い。360度隙だらけだ」
すると、目の前に赤いリゲルグが立ち憚った。
「ガルマ
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