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逆襲のアムロ
43話 ア・バオア・クーの戦いB 3.13
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雑な想いに駆られるひとがほとんどだった。

マハラジャはため息を付く。ガルマという人間を計り損ねたかと。ただの導き手としてジオンを統率していただける存在だと思っていた。勿論、導き手としての役割は彼はするだろうとマハラジャは思った。が、向いている先が我々と異なっていることに事態の難しさを覚えた。

「だからと言って、誰を旗頭に据えて、この難局を乗り切る?」

マハラジャは独り言をつぶやいた。聞こえたのはハマーンとジュドー、プルツーだけだった。
そこでハマーンが話しだした。

「我々の歩む道に住める世界はないのでしょう」

マハラジャはハマーンが自分のつぶやきに対する回答を述べていたのを聞いていた。

「こじんまりとした我々の様な組織を維持したところで世界が、運命が我々を淘汰するに違いない。遅かれ早かれこのままでは我々は滅びる」

マハラジャも同感だった。

「だな。それを皆が苦しみ悩みながら答えをゆっくりと出していくだろう。ガルマ様は厳しいが優しい。投げかけた問題提起の答えでまずは今を棄てろと言い切ったのだからな。それだけでも死路を択ばずに済む」

傍に居たイセリナもマハラジャの意見に賛同した。

「ええ、主人は優しいひとです。その為に家を棄てて、味方を棄てて、己を棄てて迄、自分を律しました。辛かったと思います。しかしそれは後日、その者達の拠り所になる場所、帰れる場所を作るためでもありました」

ハマーンはイセリナの話に反応した。

「それはジオンが負けると想定してのことだったのですか?」

イセリナは首を振った。

「そこまでは主人は考えておりません。争いの中でジオンからの脱落者を拾うためだけを考えていました。対岸の火事のようなスタンスでしたが、両勢力の力が強すぎて介入すらできません」

「ただ世界の片隅で人の本道を説いていたわけか」

ハマーンの言にイセリナは頷く。

「私の住まう北アメリアだけが有事でありながらもティターンズやジオン、連邦にも影響受けずに独自の政体を維持できて、それは皆が安定し幸せそうな日常を送っております。昼間働き、夜は家族との団欒、休みには出掛けて、安心してベッドで休み明日に備えられる。こんな当たり前を宇宙は主義主張で放棄しているのです」

ハマーンは腕を組み深呼吸をする。ジュドーが話に加わった。

「イセリナさんの話、ごく単純なんだ。それをオレらが享受できないことが世界が狂っているんだよ。挙句の果てに・・・」

ジュドーは彼方の宇宙を見つめた。

「そんな大人たちの怨念が世界を壊そうとしているんだ。あのパンドラボックスの力に触れたとき、そう感じた。サイコフレームは大人たちの不満の結晶となってしまう。大人の都合で世界が壊されてたまるものか」


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