43話 ア・バオア・クーの戦いB 3.13
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を操ったことが無い訳ではない。寧ろカラバの運動で秘密裏に何度も前線へ赴いたりもしたものだ」
傍に居たイセリナもガルマの意見に同調した。彼の手並みを妻である彼女が助言をする。
「ええ、主人の腕前は確かだと思います。でなければ、今ここにはおりません。私はその部分も含めて主人に全幅の信頼を置いております」
艦橋内がざわついていた。アクシズはジオンからの鉱物資源基地機能もさることながら、フロンティア開発基地として選民された軍属だった。本国の戦いに参加せず、その風土に培われた自負、自尊があった。
よってマハラジャはカリスマを得て、ハマーンも知られた実力も伴って皆が従っていた。ザビ家を旗頭にしてはいるものの、実戦となればお遊びではない。適材適所に果たしてガルマが合っているのか、そこだけが疑問と不信の種だった。その中でハマーンのナンバー2であるイリアが名乗り出た。
「大変恐縮ですが、ならば私と模擬戦をしていただけますでしょうか?」
仮にこの場にラルとガトーがいた場合、イリア始めとするアクシズの面々は一喝され、教育を施されていただろう、とマハラジャは思った。自身もガルマの実力を見た訳ではないので半身半疑ではあったので積極的には部下の進言を止めはしなかった。
そしてハマーンが口を開く。
「イリア、出過ぎた真似だ」
ハマーンの凛とした声にイリアは萎縮した。
「も、申し訳ございません」
ハマーンは少し笑った。そしてガルマに頭を下げた。
「ガルマ様、部下が大変失礼致しました」
ガルマはその行為に腕を組み、髪を指で絡めていた。
「(余興に付き合ってやらんと、信頼は勝ち取れんな)」
ガルマはそう考えると、イリアの進言を受け入れ、その根拠も付け足した。
「ハマーン、かの者や周囲の動揺など特殊能力が無くとも見て取れる。これにてそれを払拭してしんぜよう。後、皆には詫びねばならない」
ガルマは艦橋のクルーに向かい合った。
「既に本国とは連絡は途絶え、私残す直系のザビ家はミネバを残して行方知れずだ。そんな状態で君たちをアクシズのフロンティアに残し、憂慮しなかったことをまず謝罪する。単に私の力不足であった。済まない」
ガルマは頭を下げた。全クルーがそれに動揺した。ザビ家はマハラジャ以上にカリスマとしては神格だったからだ。
「私は兄のやり方に付いていけなかった。これは私なりの反省である。その為連邦に属し、君らの想いを無にしようとしたようには見て取れるだろう。だが、私は私なりに戦いを連邦に挑んでいた」
マハラジャはガルマの言わんとしていたことを察していた。ガルマは話し続けた。
「戦い方は1つではないこと。それをあの赤い彗星に教えてもらった。私は兵器をなるべく用いず言論、思
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