43話 ア・バオア・クーの戦いB 3.13
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ど我々は禁断の領域へと来たわけだ。だがそれ程の力を求めなければ、あ奴らに勝てなかった)」
シロッコはサラに艦隊の編制を委ね、同時にロンド・ベル、カラバにティターンズが即時戦闘放棄することの旨を伝える様命じた。サラは反発した。
「どうしてですか!私たちはまだ戦えます!あんな反連邦組織に・・・」
そんなサラにシロッコは優しく声を掛けた。
「サラ、ア・バオア・クー落としの失敗で全てが終わったのだよ。この結果は私は負けを認めざる得ない。それに」
「それに?」
シロッコはアムロらが居る方向を見つめていた。
「彼らは世界を救うかもしれない力を得ることができた。この揺れが世界の終焉たる揺れかも知れない」
サラが困惑した。なぜ世界が滅ぶなんて急に言うのと。シロッコはそんなサラを放って話続けた。
「人の想いが巨大隕石を跳ねのけた。全てはサイコミュによるものだ。だがその力は極めて危険なものだ」
「・・・どうしてですか?」
サラはサイコミュについて余りに自然に使ってきていた代物で危険とは思わなかった。それをシロッコは否定した。
「念じただけで物理法則を崩す力を世界は許容できない。私たちではない、自然界でだ。今までも高度な文明を追い求めてきた人類は天候を壊し、地球を汚染してきた。防ごうとしても、欲求がそれに勝ってきた」
サラは無言で頷く。
「その影響が今度は世界の空間に起きた。それを許容できない何かがこの世界にあるのだ。そのものに対抗できる手段をアムロたちは備わった。あのア・バオア・クー落としでだ」
サラは驚きを示した。
「ま、まさかパプテマス様・・・そのためのア・バオア・クー落としを・・・」
「それでもある。全ては予測でしかなかったが、人の想いが有り得ないことを起し、事態を覆す。それは諸刃の剣ではあったが、有象無象の敵に打ち勝つにはこちらも同等の力でなければ挑めない」
シロッコはサラにデータ通信である文面を送った。受け取ったサラはそれを少し読み複雑そうな顔をした。
「・・・これは?」
サラの不思議そうな声の問い掛けにシロッコが答えた。
「私のあらゆる論破、筋書きの知識を駆使した論文めいた駄文だ。これで世界はサイコミュに関しての見識を改めて生きてゆくという選択肢を選ぶしかないと思い込ますことのできる。私がもし帰ってこれなくてもそれをマスコミに流せば私の想いは達せられる。最もそんな未来があればだがな」
「パプテマス様」
「意思疎通は言葉で重ねていかねばならない。念ずることではない。それで世界を君の様な女性が統治していくようであればいい」
そう言ってシロッコはアムロたちの居る宙域へジ・Oを走らせていった。
* ア・バオア・クー後方宙域
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