43話 ア・バオア・クーの戦いB 3.13
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の力も今の自分と遜色がないかもしれないとアムロは思った。現存している機体にサイコフレームが施されていないものは皆無に等しかった。
「皮肉るな、カミーユ」
「冗談でいったつもりでしたが」
カミーユは笑っていた。アムロはカミーユが事態の結果に確信を得ているのを感じ取った。
「効果覿面だな。よくやったカミーユ。押し出すぞ」
「はい!」
すると、アムロのア・バオア・クーを抑えていた力がカミーユの力の転化でア・バオア・クーを今度は本格的に押し出そうとしていた。
シャアは途方に暮れた。
「アムロ、私の力などいらないんじゃないか?」
アムロはそれを否定した。
「シャア、実は君らの力をつかっているんだよ。サイコミュの力の本領は全員と繋がり、出力できる点だ。それに・・・」
「それになんだ」
アムロは息を吸って、話し続けた。
「この力は人に希望の光を見せる。この悲観的な状態から逃れる術が皆の願い、祈り、想いで可能にする」
それを聞いたカミーユはシロッコの話を言った。
「アムロ中佐。シロッコはそれを悪だと言ってましたよ。彼はきっとこの現象を・・・」
シロッコはこの戦闘にマスコミを利用している。彼の発信力が世論を利用して、サイコミュの在り方を禁忌にしようとしていたことを。それによって見せたロンド・ベル、カラバともに異物として世界に認知させようともしているとカミーユは何となく察しがついていた。
「分かってる。オレたちが世界の敵に回ろうが、今、この瞬間、地球が潰させないという想いはこのガンダムに届いている。うおーっ!」
νガンダムが緑白く光り強く発光した。呼応してΖと周囲のモビルスーツも輝いた。
遠目で見ていたラー・ヤークのハヤト、カイらは肉眼でも地球より離れていくア・バオア・クーを確認していた。観測のクルーも歓声を上げて報告していた。
「やった・・・やったー!ハヤト艦長。ア・バオア・クー進路変更確認。地球から離れます」
ブリッジ全体が歓声に包まれていた。ハヤトはホッとした表情で艦長席に収まった。カイはミハルを見ては次の指示を出した。
「ミハル、報道を確認しろ。シロッコが何かを仕掛けるかもしれん」
「わかったわ」
ミハルはブリッジから離れて通信室へと向かって行った。
カイはハヤトに歩み寄ってはハヤトの肩に手をおいた。
「とりあえずはよくやったな」
カイの語り掛けにハヤトは頷いた。
「ああ。そうだな」
「3方向からの隕石落とし。一つはやられたが、それにしても防ぎ切った」
カイが戦略と戦術を称賛した。絶対的戦力の不備をハヤトたちは乗り切ったのだった。
ホッとしていた皆が次の瞬間、戦慄が走った。ラー・ヤーク自体が
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