0102話『ラムネはいかが?』
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話をよく聞く。
択捉なんか漁師の人達に可愛がられているとかなんとか……。
もちろん占守と国後も一緒に可愛がられているのは言うまでもない事だ。
『お役に立てて嬉しいっしゅ!』と占守。
『べ、別に御礼なんていいわよ。で、でもありがとう……』と照れる国後。
『これも海防艦の務めですから!』と一番幼く見えるのに真面目な択捉。
『ふふふっ、頼もしいですね。わたしも、頑張らないと……!』とそんな三人を見守る大鷹。
そんな四人が今ではもう鎮守府近海のパトロール専門になってしまったので今では駆逐艦のみんなが出る機会が減ったのが唯一の心配かな……?
まぁいつか行ったと思うけど先制対潜が出来る子は限られているから燃費も軽い四人が警備に回ればかなり経費が浮くのも一つの利点でもあるんだよな。
他には……と色々と考えていると前方から大和が歩いてきた。
その恰好は水着姿のために鎮守府内の潜水艦の訓練用のプールでひと泳ぎでもしてきたのだろう。
「大和」
「あら提督。こんにちは」
「ああ、こんにちは。そんな大和はプールから戻ってきたところか?」
「はい。正式に水着の恰好が大本営から許されたのでこうして泳いできました。あのいつもの水の上に浮く感じと違って沈みながら泳ぐというのは不思議な気持ちになりますよね」
「それはわかるな。私も初めてこの世界に来て海の上で立っているという現象を味わった時は不思議な気持ちだったからな」
「そういえば忘れていましたけど提督と榛名さんはいきなり海の上に置き去りにされていたんでしたね」
《はい》
「そうだな。その時はまだ榛名が眠りについていたから妖精さんだけが私の助けの綱だったな」
大和にそう聞かれたので榛名と一緒に当時を思い出しながら大和に話を聞かせる。
「……思えばこの世界に来たのはなにかしらの世界の意思だったのでしょうか……?」
「それはわからない。だけど一つだけ確かな事があるな」
「提督、それは……?」
《榛名も聞きたいです提督》
大和と榛名に催促されたので私は素直に答えることにした。
「それはみんなに実際にこうして会えたことだな。こんな奇跡はなかなかないだろう……? だから嬉しいんだ」
「そう、ですね……。大和も提督とこうして普通に話ができるのも今でも夢なのではないかと錯覚する事がたまにありますから」
《榛名も大和さんと同じ気持ちです。そして提督の気持ちにも触れられる機会が何度もあって私達は真に家族のような関係になれたんですよね》
「また、恥ずかしいけど嬉しいような事を言ってくれるな二人とも」
それで少し恥ずかしくなって頭を掻いていると、
「ふふ……提督のそういう仕草を見れるのも役得の一つですね。この世界に来るまでは一方通行な気持ちでしたから。いつか提督自身の
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