Dream,1 寝起きの修羅場
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る。
「ほら、透君きて......」
その一言はどういう意味なのか、そして咲は知っているのか。何がなんだかわからず、脳が混乱している中、遂にガチャりと扉が開く。
無視して俺に顔を寄せてくる鳥海をよそし、硬直する俺の前に現れたのは────
「センパイ......様子を見に来ましたけど大丈......ぶ......?」
ワンルーム。一人暮らしの部屋の割に広い、広いけどワンルーム。仕切りなし、隠せるものなし、玄関からベッドまで視界が開けている、俺の部屋。
ベッドで押し倒されているように見える俺と、四つん這いで覆いかぶさり、顔を近づけてくる制服姿の鳥海。
どこからどう見ても、事を致す前の放課後の景色にしか見えない。誰がどう見てもそう思うだろう、俺だってそう思う。
そして、現状を理解した平坂景子は、完全に動きを止めて軽蔑の眼差しを向けている。
「平坂───」
無駄と知りながらも、一応声をかける。
「あー......センパイはそうでしたね。そうやって数多の女性を虜にするのがお得意な方でしたね。お邪魔しました、後は若いもの同士乳繰りあってください」
「待て!待て!落ち着け!そう理解するのは本当にしょうがないけど、絶対勘違いだからな!!!」
「何が勘違いなんですか?センパイはセックス迫られると拒めない方じゃないですか。何を今更否定しようとしてるんです」
冷めた目で冷静に放ってくる言葉が胸に刺さる。
それに、迫られたからといって拒めない人間ではない。
そんな冷めた目付きの平坂の後ろから、息を切らして顔を見てる咲。いつものメンバーの殆どがここに集まった以上、何が起こるかなんて察してしまう。
「はぁ、はぁ......ひ、平坂さん歩くの早いです」
「ごめんなさい蓮乃さん。ですけど、あんな光景見せられて黙ってられるはずも無かったので......。鳥海センパイが来ないと聞いて嫌な予感はしてたんですけど......よもやこんなことになってるとは」
平坂の指差す方向には、俺が鳥海に押し倒されてると勘違いされてもおかしくない姿。ハンカチで汗を拭いて視線をその先に向けた咲は、いつものように、本当にいつものように眉間に皺を寄せて笑顔を作る。
見慣れたとはいえ、生命に危機を感じているのは慣れたくなかった。
「......兄さん?」
「は、はいぃっ!?」
「学校欠席して何があったのかと心配してたんですけど......そうですかー、鳥海先輩といやらしい事する為に、わざわざ学校を休んだわけですね?そうですか......そうですか」
咲の冷たい視線、怒気の含ま
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