Dream,1 寝起きの修羅場
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咲見たいに下腹部に直接乗って、焦らしてくる訳じゃないけど、年頃の女子高生として避けるべき体勢なのは言うまでもない。
しかも、鳥海とは夢の中で何度も事を致している以上、その光景がフラッシュバックしてくるので、本当に避けて欲しい。
「とりあえず、いいからどいてくれ。このままじゃ動けない」
「これは、咲ちゃんと同じ扱いをされているのかな?」
「当たり前だ。咲といい、鳥海といい、どうして俺の周りの女の子たちは男に対して恐れがないんだろうな」
「それは透君がヘタレだからじゃない」
「......」
「それに、ボクはキミの──か、彼女なのに咲ちゃんと同じ扱いなんだい?」
「......いいからどいてくださいお願いします」
「話逸らさないでくれるかな」
話を逸らして、目も逸らす俺は正真正銘で自他ともに認めるヘタレだ。
そんな俺でも、鳥海の手が震えているのはわかる。そして顔を真っ赤に染めて俺の瞳を覗き込んでいることも。
「......好き、なんだよぅ。これくらいキミに近づいたってもいいじゃないか」
「......」
それを言われてしまえば、ぐうの音も出ない。
ベッドの上、涙目赤面で俺を見上げてくるその姿にグッとくるものが無いとは言わないし、認めるしかない。
前にも思っていたが、鳥海の見た目や声、性格、体諸々含めて好みなので、当然どストライクなのだ────本人には直接言えずじまいだ。
しかし今は彼女となり、何度も夢の中で体を重ねている以上、男として何か、というのもある。
「......わかってる。悪かったよ」
「本当に?」
「あぁ......」
口を尖らせる鳥海を見ていると、湧き上がるものがある。しかし、鳥海の体調面を考えて、必死に我慢させる。
「じゃあ......今ここでキス、して?」
「......わかった」
恥ずかしげに唇を突き出す鳥海に、俺はそっと重ねようとして────
────そんなまさかのタイミングで、部屋のドアノブが音を立てた。
咲か!?というか、チャイムも鳴らさずに鍵を開けようとするヤツなんて咲しかいない。鳥海を隠すにも間に合わない、というか隠してどうなる。こんな体勢で鳥海とキスしようなんて光景を見られた暁には───
「あ、大丈夫じゃないかな」
「何がだっ!?」
「ボク達は付き合ってるわけだし......まぁそのさ、夢の中でえっちもしてるわけだから。今さら慌てなくても大丈夫さ」
思わず無言で、にへらにへらと笑う鳥海の方を見てしまう。その間、なにかに戸惑っているのか、ガチャガチャとドアノブを壊すような勢いで音を立ててい
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