ペルソナ3
1761話
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もどきよりも更に強力な存在がいても、何もおかしくはない。
あのスライムもどきが雑魚だからこそあの妙な場所から出てきたのか、それともあのスライムもどきが単独でどうとでも出来るから出てきたのかでも事情は大きく変わってくるが、どちらかと言えば前者の可能性が高いと思っている。
何しろ、使ったのがゲイ・ボルグであっても、少し触れただけで身体全体が弾け飛ぶようにして散っていったのだから。
とてもではないが強敵だとは呼べないだろう。
そんな雑魚相手に悲鳴を上げながら逃げ続けていたゆかりが、どうしてあの建物……敵の巣窟になっている可能性が高いであろう場所に行こうとするのか。
「でも、行くわ」
「あのな……別にお前が無理をして行く必要はないだろ? あの現象がどうなっているのか、それを確認するだけなら、俺だけでいい。いや、寧ろ戦えないお前は邪魔で、足手纏いだ」
こうして断言するのは、ゆかりにとってもショックだろう。
だが、このまま妙な考えであの建物に向かい、結果として犬死にするというのは、俺としても避けたい。
「嫌なのよ」
「何がだ?」
何故か急に嫌だと言い出したゆかりの言葉に、疑問を持つ。
何が嫌なのか、それが分からなかった為だ。
「……人に、男に頼って、自分は安全な場所でただ待ってるなんて生き方」
そう告げたゆかりの言葉は小さい。小さいが……そこにはこれ以上ない程の鬱屈した感情が込められている。
これは、何を言っても無駄だな。
この状況の相手に、まともに話が通じるとは思えない。
かといって、ここで別れて俺だけ別行動……って感じになると、ゆかりは確実に自分だけで動く。
「あー……そうだな。今日あの奇妙な状況になったけど、また同じような事になるとも限らないだろ? なら、一旦様子を見るってのはどうだ?」
取りあえずそう誤魔化す。
実際、今日あの現象が起きたからといって、明日以降も同じような現象が起こるとは限らないのだ。
であれば、ここでゆかりを無理に引っ張っていく必要もない訳で……
「そう言って、自分だけで行くつもりでしょ?」
「そんな訳ないだろ。そもそも、あの現象がまた起きるかどうか分からないんだから。今日だけが偶然……って可能性もあるだろ?」
そう告げるも、ゆかりが俺を見る目に信用の色はない。
寧ろ、疑惑だらけと言ってもいいだろう。
……実際、この世界の原作を知らない俺だが、それでも多分今日だけであの現象が終わるとは、とても思ってないのだが。
「それもそうね」
……お? 実は説得出来るか?
そんな思いを抱いたのだが、それが甘い考えだったというのは、ゆかりの次の言葉で判明する。
「分かったわ。じゃあ、アクセルは今日ここに……その
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