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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十五話 アルトの秘密
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いだ。

「な、ななな!そ、そんな事まで言ってたの!?」

口を押さえられてしゃべれないアスカは、激しくコクコクと頷いた。

「…………そう」

アルトが夢遊病者のようにユラリとアスカから離れた。

「ア、アルトさん?」

ヒリヒリと痛む口を押さえながら、アスカはアルトの動向を見ていた。

すると……

ガゴッ!

どこに隠してあったのか、アルトは自分の背丈程もある巨大なスパナを肩に担ぎ上げた。

「げっ!」

それを見たアスカが後ずさる。

ガチャッ!

さらに工具箱に手を突っ込んだアルトは、電動ドリルを手にした。

ギュイィィィィン!!!

呻る音を発てて回転する電動ドリル!

「……ちょっとヴァイス先輩と話してくる」

目のハイライトを消したアルトがアスカに背を向ける。

「……って、ダメですよ!アルトさん、落ち着いて!」

唖然としていたアスカが慌ててアルトを羽交い締めにする。

それだけアルトの本気が伝わってきたからだ。

「離して、アスカ!ヴァイス先輩とOHANASIしなくちゃいけないんだよ!」

「高町式はやめてください!って言うか、道具はいけません!」

「必要な物なんだよ!」

「スパナやドリルなんて、何に使うつもりですか!」

「……………聞きたいの?」

「怖い怖い怖い怖い!!」

などとやっていると、不意にアルトが振り返った。

「アスカに分かる?!ただの子供の頃の恥ずかしい話じゃないんだよ?トラウマなんだよ!」

「え?あ、あの、アルトさん?」

急に怒りの矛先を向けられるアスカ。

(何か、最近こういうの多いなぁ)

そう思ったが、今にも泣き出しそうなアルトを見ると反論できなくなる。

アスカは大人しく話を聞く事にした。

「確かに私は7歳まで自分の事を男の子だと思っていたよ。でも、それが急に女の子だってなった時の気持ちってアスカに分かるの?」

「……スンマセン、経験無いんで分からないです」

「それまでの自分が無くなっちゃうような感じなんだよ!今まで生きてきた事がスッポリ無くなっちゃうんだよ!心の傷なんだよ!それを笑い話に……」

「い、いや、オレは笑ってませんよ!その、性転換的な事じゃないですけど、環境で人生が変わったってのは分かりますから!」

「………」

その言葉を聞いたアルトが、ジッとアスカを見る。

そのプレッシャーにアスカは冷や汗をかいた。

「じゃあ、話して」

「え?」

「アスカの、今までで一番最悪だった事を話してよ!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

アルトのとんでもない言いぐさに、アスカは声を上げてしまった。

「な、な
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