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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
501部分:第四十話 曹操、華陀に会うのことその六

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第四十話 曹操、華陀に会うのことその六

「俺が華陀だ、宜しくな」
「何でも天下一の名医だというけれど」
「そうなのか?」
「そう聞いてるわ」
「そうか、俺は天下一の名医なのか」
 それを聞いて気付いたといった趣だった。
「そうだったのか」
「自覚はないの?」
「そういうことには興味がない」
「そうなの」
「俺が興味があるのは一つだけだ」
 こう曹操に言うのだった。
「ただ一つだけだ」
「その一つとは何かしら」
「患者がいれば治す」
 満面の笑みと共の言葉だった。
「ただそれだけだ」
「そうなのね」
「そう、それがだ」
「五斗米道の考えなのね」
「違う!」
 華陀の言葉がいきなり強いものになった。
「その言い方では駄目だ!」
「駄目って?」
「ゴオオオオオオッド米道だ!」
 それだというのである。
「そう呼んでくれ、いいな!」
「ゴオオオオオオッド米道!ね」
「そうだ、ここは重要だからな」
「そうだったのね」
「そうだ、よく覚えていてくれ」
「貴方、ひょっとして」
 ここでだ。曹操はあることに気付いた。そうしてだった。
 華陀にだ。こう問うのだった。
「あの、貴方まさか」
「何だ、一体」
「昔勇者王とか言われてなかったかしら」
 こう彼に問うのだった。
「そうじゃなかったかしら」
「さてな。そうだったかな」
「それで獅子だったわよね」
「むっ、詳しいな」
「他には黒い龍を操ってたわよね」
 曹操の指摘は続く。
「それと星の海の中で鎧で戦ってたわよね」
「そこまで知っているのか」
「アズとかラエルとか」
「ふふふ、そこまで知っているとは面白い」
「っていうか貴方他の世界にかなり縁があるわよね」
「それはお互い様じゃないのか?」
「私よりずっと多いじゃない」
 そのことがだ。曹操はどうも今一つ面白くないようである。それが言葉にも出ていた。
「はっきり言って」
「まあ気にしないでくれ」
「そうね。言っても仕方ないことよね」
「その通りだ。それでだが」
「ええ」
「俺を呼んでくれたのはどうしてなんだ?」
 話はようやく本題に入った。
「あとさっきの話は一応別人になってるからな」
「それはお互い様だけれどね」
「それも重要だからな」
「貴方の場合声で誰でもわかるでしょ」
「ははは、名前が違うじゃないか」
「じゃあ医者王って何よ」
 何だかんだでその話に戻る。
「もう誰かって一発でわかるじゃない」
「最近はゲームとアニメでわかるからな」
「そっちの世界の名前と本来の世界の名前が一緒に出てね」
「それでもわからないこともあるし別人だと言い切れるじゃないか」
「貴方の場合は無理でしょ」
 また華陀に告げる。

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