ペルソナ3
1760話
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俺の気配遮断は、生身の人間なら問題ないのだが、機械の類いを通すと無意味になる。
だとすれば、影の転移魔法か?
これが一番無難だろう。
ゆかりは、既に俺が魔法使いだと知っている。
いや、正確には魔法使いと口にした訳ではないが、それでも魔法らしい超常現象を目にしている。
だからこそ、ゆかりは俺が魔法を使っても、特に驚いたりといった事はしないだろう。
「ほら、見て」
暫く無言の中で歩いていると、不意にゆかりがそんな風に話し掛けてくる。
本当は色々と話したいことがあるのだろうが、ゆかりにとっては今それを口にするのは色々と気まずいのだろう。……もしくは、何か思うところがあるのか。
ともあれ、こうして女子寮の前に到着した以上、行動に移した方がいいだろう。
「で、ゆかりの部屋はどこなんだ?」
「ほら、あそこ。……って言っても、ちょっと分かりにくいわね。いいわ、これから私は部屋に戻るから、電気が点いた部屋に来てちょうだい」
こうして外から見る限りでは、既に結構な数の部屋の電気が消えている。
時間的にもう午前1時は回ってるだろうし、そう考えればむしろ当然なんだろうけど。
……そんな時間帯に外に出てるゆかりが不良なんだよな。
まぁ、外見と違って男慣れしていない、純情な性格だけど。
「ちょっと、何よその生暖かい視線は」
「いや、何でもない」
どうやら、ゆかりをじっと見ていたのに気がついたらしい。
まぁ、女は視線に敏感だって言うし、気がついてもおかしくはないか。
「……まぁ、いいわ。今はそういう事にしておいてあげる。じゃあ、ちょっとここで待っててね」
若干不満そうではあったが、そう告げたゆかりはそのまま寮の中に入っていく。
……女子寮って聞くと秘密の花園的なイメージがあるけど、きっとそれは俺だけじゃないよな?
もっとも、こうして見る限りでは女子寮であっても普通の建物にすぎない。
ムウ辺りなら結構喜びそうな気もするが。
いや、この場合は思春期真っ盛りのアウル達か?
デュオも何となく喜びそうだが……五飛辺りは鼻で笑いそうだな。
ともあれ、少し時間が経ち……やがて真っ暗になっていた部屋の電気が1つ点く。
あそこか。
素直に空を飛んでいってもいいんだが……一応寮って事で、まだ何人か起きている人物がいるのは、明かりの点いている部屋を見れば理解出来る。
また、空を飛んでいる光景を通行人にでも見られれば、色々と不味いのも事実だ。
そう考え、結局俺は予定通りに影のゲートを展開し、そのまま自分の影に沈み込んでいく。
そうして影から出れば、そこは既にゆかりの部屋だった。
「きゅあっ! ちょっ、どこから出てくるのよ!」
俺が空を飛んでくるのだと
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